野村総合研究所は15日、2015~2030年度までの新設住宅着工戸数およびリフォーム市場規模の予測結果を発表した。それによると、2030年度の新設住宅着工戸数は53万戸に減少すると見込んでいる。

新設住宅着工戸数の実績と予測結果

新設住宅着工戸数は、消費税率10%が予定される直前の2016年度には駆け込み需要の発生で約92万戸に増加するものの、2020年度には約76万戸、2025年度には約64万戸、2030年度には約53万戸と徐々に減少していくと予想。2030年度の戸数は、バブル崩壊後のピークだった1996年度の約163万戸と比べると、ほぼ3分の1まで縮小する。ただし、景気動向などにより実際の着工戸数は変動する可能性があるとしている。

リフォーム市場については、「住宅の長寿命化」などに伴い、拡大することが期待されているが、現状の趨勢が続いた場合には大幅な市場拡大は難しいと分析。耐久消費財やインテリア購入費などを含めた広義のリフォーム市場規模は、2030年まで年間6兆円台で横ばいに推移すると予測している。なお、狭義の市場はそれより1兆円前後少ない規模になる見通しだ。

リフォーム市場の活性化に向けては、リフォームローンを組みやすい環境の整備など行政主導の政策的支援や、工事品質の向上や価格の透明性確保といった民間事業者の創意工夫、および一般生活者への啓発が求められるとしている。