昼は那覇市民の台所として、夜は酒飲みたちの社交場として顔を変える沖縄・栄町。かつての赤線地帯ということもあり、女子ひとりだとなかなか入りにくい場所……だったが、今ではすっかり雰囲気が違っている。
地元のおじぃやリピーターの観光客がごった返して年中にぎやか。安くておいしく飲める"せんべろ酒場"が増えているのだ。今回はその中でも、料理・コスパともに満足間違いなしの人気店を厳選して紹介したい。
栄町ファンで知らない人がいないイチオシ店
「栄町でおススメのお店は? 」と聞けば多くの人が口にするお店、それが「Refuge(ルフュージュ)」だ。メイン通りから一本細道に入った隠れ家的存在だが、頑張って探す価値は大いにあり。全てのメニューのクオリティーが高く、その上かなりのハイコスパ。連日満席の日が多いのでオープン直後に駆け込むのが安心かもしれない。
まず頼んでほしいのが「お野菜の盛り合わせ」(650円)。彩り豊かに常時13種類ほどの味が楽しめる一皿は、毎日時間をかけて丁寧な仕込みを行っている。「一皿で2人分くらいはありますのでシェアしながらどうぞ」と店主の大城忍さん。
ピクルスやキャロットラペなど見た目も美しい盛り合わせは、ダイコンとタマネギをベースにしたドレッシングまで手作りにこだわり、お酒にもぴったり合う。女性が見たら、きっと喜びの悲鳴をあげるだろう。また、旅先でしっかり野菜がとれることもうれしい限り。
2番人気の「前菜の盛り合わせ」(650円)も豪華な顔ぶれ。リエットにレバーペースト、スモークサーモンなど、一品一品に丁寧な仕事を感じるおいしさだ。ワインもいいけれどここは沖縄。ぜひ泡盛(300円~)と一緒に楽しんでみてはどうだろう?
●infomation
Refuge(ルフュージュ)
沖縄県那覇市安里388-10
第2次栄町ブームの火付け役
栄町の市場内が注目されたのが第1次なら、市場外の飲食店街が急増し始めたのが第2次栄町ブーム。その火付け役とも言える「新小屋(アラコヤ)」は、豚肉の加工品シャルキュトリーとモツ焼きで一躍スターダムにのしあがった。
1本(100円~)から注文できる「モツ焼き」は鮮度がよく、焼き加減の絶妙さにうなる。ハラミやレバーといったメジャーどころはもちろん、リップ(唇)、のどべらなどのマニアックな部位まで挑戦できる。沖縄では「鳴き声とひづめ以外は食べる」とも言われる豚肉だが、ここならその通り食べ尽くせそう。それくらいどんどん追求したくなる味わいなのだ。
●infomation
新小屋(アラコヤ)
沖縄県那覇市安里388-10-1F
気持ちよく酔えるイタリアン
栄町界隈をハシゴして、最後の〆で選びたいのが「イタリア酒場 ALCOLISTA(アルコリスタ)」。2013年にオープンしたお店ながら、訪れる度に着実にファンが増えているニューウェーブだ。"アルコリスタ"とは、イタリア語で酔っぱらいの意味。オレンジがテーマカラーの空間で店名通りお酒のすすむ、絶品イタリアンをいただける。
ボトルの1/3注いでくれるグラスワインは500円。この大盤振る舞いな一杯に合わせるメニューといったら、「ボローニャ風ミートソース 自家製タリアテッレ」(950円)などの特製の手打ちパスタしか考えられない! もちもち食感の麺に旨味をぎゅっと凝縮したソースがよく絡み、ここでワインを一口。ああ、これぞ至福のオキナワンナイト……。
●infomation
イタリア酒場 ALCOLISTA(アルコリスタ)
沖縄県那覇市安里388-13
狭いエリアに大衆居酒屋からおしゃれなエスニック料理店やカフェまで、さまざまな優秀コバコ店が集まる栄町。「沖縄観光で疲れたから今夜は早めに休もう」という方は実にもったいない! 旅の一番の思い出になりそうな、おいしいお酒が待っている。
※記事中の価格・情報は2015年5月時点のもの。価格は全て税込
著者プロフィール:阿久津 彩子(あくつ あやこ)
東京都出身のフリーライター。大手商社勤務を経て独立。2011年より沖縄へ移住し、WORD WORKS OKINAWAを立ち上げる。ビジネス系ライティングから沖縄観光情報、葬儀・仏壇まで、幅広く執筆・撮影。沖縄・国際通りの隠れ家喫茶「路の上のカフェ日日」のオーナーでもある。