またシミが1つ増えた……シワが深くなった気がする……肌老化の大きな引き金となっているのは、日常的に浴びる紫外線です。美容に興味がある人は、その対策として日焼け止めクリームなどの化粧品やサングラス、日傘を使うといった基本的な知識はお持ちでしょう。でも効果的な紫外線対策はそれだけではありません。ここでは身近なもので誰でも簡単に取り組める、意外な紫外線対策を紹介します。
その1: メイク用のパウダーファンデーションを活用する
乳液・クリームなど、日焼け止め化粧品には様々なものが出回っていますが、これらの製品を使っていると、「なぜか肌の調子が悪い」「肌荒れする」「吹き出物が出る」「赤みが出る」という人も少なくありません。それは、日焼け止めに配合されている紫外線カット剤が、肌に刺激となっているからです。健康な肌の人でも、1年を通して日焼け止めを使うことは、肌へのストレスとなります。
そこでオススメしたいのが、メイク用のパウダーファンデーションです。
SPAやPAなど、紫外線防止効果の指標が示されているUVカット対応のパウダーファンデーションもありますが、この数値が高いと肌への負担となるので、通常のメイク用ファンデーションを用いましょう。
あまり知られていませんが、ほとんどのメイク用ファンデーションには、日焼け止めに配合される酸化チタンや酸化亜鉛が使われています。つまり、SPAやPAなどの表示がないファンデーションでも、紫外線カット力があるのです!
使用する際は、リキッドファンデーションではなく、顔料密度の高いパウダーファンデーションを選び、4時間程度の間隔をあけて塗り直しを行うのがポイントです。
その2: かばん (バッグ) の選び方・持ち方を工夫する
紫外線は上から降り注ぎますが、盲点となるのが、地面からの照り返しです。紫外線は跳ね返る性質があり、日傘や帽子だけでは対応しきれません。そこで大事なのが、かばん (バッグ) の持ち方です。
女性は男性に比べて、バッグを持ち歩くことが多いと思いますが、外出の際は、手提げタイプ (できれば面積の広い大きめのもの) を選び、おなかあたりで持つクセをつけましょう。これにより、地面から顔に跳ね返る紫外線の防御効果が期待できます。買い物の際は、スーパーやデパートで提供されるショッピング袋も、同様におなか辺りに持つように心掛けましょう。
これはあくまでもサブテクニックのため、当然ながら、日焼け止め化粧品を塗布していることが前提となります。
その3: ローズヒップハーブティーとアセロラで効率的にビタミンC補給
ビタミンCは、シミの元になるメラニンを抑制し、シワやたるみの原因になるコラーゲンを生成するなど、スキンケアには欠かせない成分です。紫外線は体内のビタミンCを破壊します。またメラノサイトが活発になってシミが増え、コラーゲンも減少するため、シミ・シワが増えてくるのです。
つまり、ビタミンCを効率的に補給することで、シミ・シワ・たるみの進行にブレーキをかけてくれます。サプリメントや食品からの摂取も悪くはないですが、排出されやすい点と熱に壊れやすいため、吸収率に難があります。そのため、特定の飲料からの摂取がベターです。オススメはローズヒップのハーブティーとアセロラジュースです。
ローズヒップハーブティーは、カルシウムが牛乳の約9倍、鉄分もほうれん草の約2倍、その他にも、ビタミンA、ビタミンP、リコピン等も含まれています。そして何といってもビタミンCの宝庫でレモン汁の約20倍以上です。
ローズヒップハーブティーに含まれるビタミンCは、ビタミンP作用によって保護されるため壊れにくく、さらにリコピン作用によって体内吸収率が抜群に良いのが特徴です。ローズヒップハーブティーで注目すべきポイントはビタミンA。実はビタミンCよりも抗酸化力が高く、歳を重ねる女性にとっては非常にうれしい成分です。
これらの実情を踏まえると、ローズヒップハーブティーは "飲む美容液" と言ってもいいでしょう。 デパートや大手スーパーなどで売られていますが、お近くで見つからない場合は、ネット通販で探してみてください。
アセロラは、フルーツの中でも天然ビタミンCの含有率がトップだと言われており、レモンの約34倍です。さらに、肌が喜ぶポリフェノールが豊富です。まさに、美肌フルーツと呼ぶにふさわしい存在です。
意識して特別なものを探す必要はなく、市販されているアセロラジュースでよいでしょう。
その4: 1日6時間以上の睡眠
肌は、毎日細胞分裂を繰り返しています。昼間は血液が脳に集まりやすく、十分に肌に行き渡らないため、大量の成長ホルモンが分泌される就寝中に肌の細胞分裂が行われます。特に眠りの深い最初の3時間が最も活発で、すべて滞りなく行われるようにするには、最低でも毎日6時間の睡眠が必要だと言われています。
睡眠不足が続くと肌の細胞分裂が慢性的に阻害されるため、外的刺激から肌を守るバリア機能 (セラミドなどの細胞間脂質) が減少し、紫外線を吸収しやすくなります。つまり、シミができやすい状態を自ら作っていることになります。紫外線をブロックするバリア機能を健全に保つためにも、十分な睡眠を確保しましょう。
その5: 1日15分のストレッチ
肌は、年齢とともに新陳代謝 (主にターンオーバー) が乱れるため、紫外線を受けて活発化するメラニン (シミの元になる色素) が沈着しやすくなります。そこでオススメしたいのが、適度な運動です。適度な運動は、血流を促すと同時に、肌の新陳代謝を後押しするため、紫外線のダメージで発生したメラニンの排泄を助けます。
なお、この「運動」は本格的に行う必要はなく、空いた時間に15分程度行えば十分です。ウオーキングやランニングもよいのですが、外で行うため紫外線を浴びることになってしまいます。肌のことを考えると、屋内で行えるストレッチや柔軟体操がベターです。
体を動かすことは全身の機能をサポートするだけでなく、心身のリフレッシュや質のよい睡眠にもつながるため、相乗効果が期待できるでしょう。
執筆:松原好克
スキンケアカウンセラー、美容液研究家。高校卒業後、会社員として働く傍ら、約10年にわたり独学でスキンケアや化粧品の専門知識を深める。2008年から5年間で2,000人以上のカウンセリングを手掛けた経験を元に、現在では、年間約1,000人にも及ぶスキンケアの相談に応じる。また、美容関連の情報サイト・ポータルサイト・コラムサイトからの記事執筆、美容液を始めとする化粧品の評価やレビューも多数手掛ける。
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