6月1日に発表された新GPU「GeForce GTX 980 Ti」。すでにリファレンスクーラー搭載モデルは販売が開始されたが、COMPUTEX会場では、各社がオリジナルクーラー搭載モデルを展示していた。

ASUS STRIX GTX 980 Ti

ASUSは、「STRIX GTX 980 Ti」を展示していた。クーラーは「DirectCU III」。ファンが3連となり、ヒートパイプも特に下側の2本に超極太のものを採用している。こうした強化によってSTRIXシリーズの特徴であるファン停止機能「0dB Fan Design」も実現している。

3連ファンとなった「STRIX GTX 980 Ti」

下が「STRIX GTX 980 Ti」の基板。上は従来モデルの基板

手前が「STRIX GTX 980 Ti」の基板裏側。特に異なるのは電源回路部で、奥にある従来モデルの基板の電源回路部には銀色ピンが突き出ているが、STRIX GTX 980 Tiはほとんど一面ブラックの基板しか見えない

GPU Tweak IIのデモ画面

また、基板は新技術「AUTO-EXTREME」を採用する。グラフィックスカードやマザーボードなどのPCB基板は、各種のチップやキャパシタを搭載するため、通常、裏面にpinが飛び出しているのだが、AUTO-EXTREMEはほぼフラットで、見た目にもつやつやしている。これは、手作業を排し、100%機械製造することで実現したとのこと。

ほか、オリジナルユーティリティの「GPU Tweak」がバージョン「II」に進化している。デモでは3連メーターのような、分かりやすいUI、そしてフラットなUIだった。

GIGABYTE GV-N98TG1 GAMING-6GD

GIGABYTEは、別記事でも紹介しているとおり、「GV-N98TG1 GAMING-6GD」。GAMINGシリーズの製品で、採用するGPUチップも高クロック動作するものを選別した「SOC GPU Gauntlet Sorting」仕様。クーラーはTDP 600W対応、3連ファンのWINDFORCE 3Xだが、新たにシルバーのプレートを加えている。ファン停止機能も備え、停止時には上部の「SILENT」「STOP」というLEDが光って知らせる。

WINDFORCE 3Xクーラーを搭載する「GV-N98TG1 GAMING-6GD」

映像出力端子はDVI-I、DVI-D、HDMI×1、DisplayPort×3

そのほか、通常のGTX 980 Tiカードの映像出力端子に対し、DVI出力をもう1基追加したFlex Displayテクノロジが特徴だ。動作クロックはOCモードとGamingモードで異なり、OCモードはベースが1190MHz、Boostが1291MHz、Gamingモードはベースが1152MHz、Boostが1241MHz。

MSI GTX 980Ti GAMING 6G

MSIは、「GTX 980Ti GAMING 6G」を展示していた。こちらはデュアルファン。各社が3連ファンを採用するなかでは、むしろコンパクトさが際立つ。小さめのケースで超ハイエンドなゲーミングPCを組む際は有力候補となるだろう。

クーラーは第5世代となる「Twin Frozr V」。ファン停止機能「ZERO FROZR」も備え、GPU温度が低い際にはファンを停止する。動作クロックは従来どおりOC/Gaming/Silentの各モードで異なり、最もクロックの高いOCモードではベースが1279MHz、Boostクロックが1178MHz、メモリが7100MHzとなる。

3連ファンが増えたおかげで「コンパクト」に感じてしまう「GTX 980Ti GAMING 6G」

基本的なデザインはGTX 980搭載モデルとほぼ同じ

Galaxはオーバークロッカー向けモデルを展示

Galaxで展示されていたのは、オーバークロッカー向けの「HOF」シリーズのGTX 980 Tiカード「GeForce GTX 980 Ti HOF」と、参考展示となる「GeForce GTX 980 TiHOF EX WC」。GeForce GTX 980 Ti HOFは、GalaxのOCカード伝統のホワイト基板を採用し、クーラーは3連ファン。スロット専有は2.5スロット分といったところで、ブラケットにはBIOS。更新やOC設定保護のためのDUAL BIOSスイッチも搭載している。

GalaxyのOC向けカード「GeForce GTX 980 Ti HOF」

ブラケットにはDUAL BIOSスイッチを搭載

一方の水冷モデルGeForce GTX 980 TiHOF EX WCは、1スロット厚の水冷ヘッドでGPUやVRM、メモリなど一体で冷却するモデル。ブラケット部は2スロット分で、DUAL BIOSスイッチも搭載。補助電源コネクタは8ピン×3基を搭載していた。

水冷ヘッドを装着している「GeForce GTX 980 TiHOF EX WC」

補助電源コネクタは、後部に8ピン×3基を備える

Galaxと言えば、2014年高画質化&3D化基板を搭載したGeForce GTXグラフィックスカードをリリースしたが、外付けBOXとなったが2015年も開発中

2D→3Dコンバートのデモは、レンチキュラーレンズ付きのディスプレイで行われていた

Zotacはハイエンドモデル4製品

Zotacブースは、Zotacらしく多数のGTX 980 Tiモデルが展示されていた。展示されていたのは「GTX 980 Ti AMP! OMEGA EDITION」「GTX 980 Ti AMP! EXTREME EDITION」、「GTX 980 Ti AMP!」「GTX 980 Ti ARCTICSTORM」の4製品。全て3連ファンクーラーを搭載しているが、フレームに多少の違いが見られる。

最上位と見られるのは動作クロック非公開の「GTX 980 Ti AMP! OMEGA EDITION」、これに続くのが「GTX 980 Ti AMP! EXTREME EDITION」でベース1253MHz/Turbo 1335MHz、メモリ7210MHz。AMP!シリーズの末弟は「GTX 980 Ti AMP!」で、ベース1051MHz/Turbo 1140MHz、メモリ7010MHz、最後の「GTX 980 Ti ARCTICSTORM」は、ベースが1025MHz/Turbo 1114MHz。

「GTX 980 Ti AMP! OMEGA EDITION」(左)と「GTX 980 Ti AMP!」(右)

デモ中の「GTX 980 Ti AMP! EXTREME EDITION」

M展示中のZotacオリジナルクーラー搭載GTX 980 Tiカードではクロックが低い「GTX 980 Ti ARCTICSTORM」