少しずつ夏の雰囲気が漂ってきましたね。今のうちにお住まいの周りを見直しておくと、夏本番になった時に、快適に過ごせるのをご存知ですか? そんなテクをご紹介させていただきます。
ライフスタイルを変えると電気代が安くなる?
節電しようと頭で考えても、なかなか難しいのが実情。でも、夏になれば、冷房を使うことで、電気料金が高くなるのは必須。実は、普段のライフスタイルをちょっと変えるだけで、電気代は安くなるのです。そんなテクとコツをお教えします!
契約アンペアで基本料金が安くなる!
電気料金は、契約アンペア数によって変わるため、契約アンペア数を低くすることで電気料金は安くなります。つまり、不必要に多い契約アンペアは、変更することで電気代が節約できます。
現在の自宅契約アンペアは、電気料金の明細を確認することでわかります。また、東京電力では、分電盤のアンペアブレーカーの色や数字、九州電力ではリミッターのつまみの色を確認することで、契約アンペアを簡単に調べることが出来ます。尚、関西電力は、アンペアによる契約制度をとっていないため、この節約法は使えません。
ちなみに、契約アンペアとは、同時に使用できる電気量を示します。ですので、小さくし過ぎると、すぐにブレーカーがあがることになりますので、その点はご注意ください。また、電気の契約は、年契が基本。夏と冬は多めに50アンペア、春と秋は30アンペアといった契約の仕方はできません。ですので、アンペアを減らす場合には、一番使う時期、時間を想定して契約しなくてはなりません。電気機器の消費電力は、通常ワット数(W)で表示されています。そのW数を、アンペア数(A)に変換するには、100Vの場合、「100Wで1A、1000W(1kW)で10A」と考えます。つまり1200Wのドライヤーを使うには、12A必要となります。
例えば、夕方帰宅して、冷房をつけ、テレビをつけ、ご飯を炊き、冷蔵庫にしまっておいたおかずを出して、レンジでチンという動作を立て続けにしたら、それだけで、14(冷房起動)+2.1(テレビ)+13(炊飯ジャー)+2.5(冷蔵庫)+15(電子レンジ)=46.6Aとなり、契約アンペアは40Aでは足りなくなります。逆に、冷房をつけ、しばらくたってから、ご飯を炊きはじめ、ご飯を炊き終わってから、おかずをレンジでチンするとしたら、最大時でも、5.8A(冷房)+2.1A(テレビ)+2.5A(冷蔵庫)+15A(レンジ)=25.4Aと、30Aで足りるのです。
このように、生活習慣を少し変えれば、契約アンペアを下げることができ、基本料の節約ができるのです。
夏の必需品、冷蔵庫も節電!
暑くなると、冷やしたものが美味しくて、また、暑いところに置いておくと、傷んでしまうのではないかという心配から、なんでもかんでも冷蔵庫に入れたくなります。その結果、庫内がパンパンになってしまう冷蔵庫が多いことと思います。しかし、ぎっしり詰まった冷蔵庫内は、冷風がまわらず、冷却効果が下がり、無駄に電力を消費します。しかも、冷蔵庫は24時間365日稼働です。塵も積もればなんとやら、ここの電気代のムダは見逃せません。
小さい冷蔵庫にギッシリ物を詰めるよりも、大きな冷蔵庫にスカスカの方が電気代は安くなることがあります。というのも、冷蔵庫は、大きくなれば消費電力があがると一概には言えないためです。
上記は、某メーカーの冷蔵庫仕様一覧より抜粋した、容量と年間消費電力になります。ドアがたくさんあって、大きな冷蔵庫は消費電力も大きそうなイメージがありますが、なんと262Lの2ドアの冷蔵庫の約半分の消費電力。年間の消費電力を金額に換算すると、5000円も電気料が安くなる計算です(1kWh/27円とした場合)。それに、庫内が広ければ、それだけドアを開け閉めした際に、外気の影響も受けにくくなりますので、庫内の温度変化は緩やか。再冷却するパワーも抑えられます。
既に大型の消費電力の少ない冷蔵庫をお使いの方は、パンパンに物を詰め込まない、冷風口の前には物を置かない、熱いものは必ず冷ましてから冷蔵庫へしまう、ドアの開け閉めは素早くするなどの習慣をつけ、節電しましょう。
照明器具でも節電!
LEDシーリングライトなど、消費電力の少ない照明器具が主流になっています。筆者も先日自室の丸形蛍光管が2本入った一般的なペンダントライト(30W+32W)をLEDシーリングライトへ交換いたしました。交換後のLEDシーリングライトは、8畳用の43Wのもの。蛍光灯とLEDとだと、大きく消費電力が変わるわけではないので、導入費用を考えると、正直なところ、蛍光灯からLEDへ変えるメリットはさほどありません。蛍光灯を交換して使う方が、コストは安いというのが実情です(ちなみに筆者の場合、蛍光灯が切れたのではなく、ペンダントライトそのものが故障したため、LEDシーリングライトへ買い替えました)。ですが、変えたことで、些少ながらもメリットがありました。それは、19Wの節電、しかも今まではつりさげ型だったため、天井が暗かったのですが、シーリングライトにしたことで、天井付近から明るくなり、部屋が広くなったような感覚になったことです。
というわけで、蛍光灯とLEDでは、あまり差はありませんが、これが白熱灯となると話は別です。照明に白熱灯のダウンライトを使用している場合、なるべく早いタイミングで、電球をLEDに変更するのをおすすめします。
例えば、60Wの白熱電球を3個使用していた場合、それを760lmのLED電球に交換すると、180Wだった消費電力が、25.2Wに抑えられるのです。一度交換してしまえば、しばらくは交換不要なのもLEDの良さ。特にダウンライトのような交換が面倒な個所こそ、LEDにするのがおすすめです。ただし、なんでも替えればいいというものではありません。以前は、LED電球はダウンライトには使用できなかったのですが、最近は各メーカーからダウンライトに使用できるLED電球が発売されていますので、必ずそちらを選びましょう。また、調光機能がある器具の場合、調光対応している電球を選ぶというのもお忘れなく。
調光タイプは要注意!
早めに見直し&対策して、快適に、しかも節電しながら夏を過ごしましょう!
株式会社回遊舎
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。