プロ野球選手になるまでのキャリアは人それぞれ。幼い頃から野球をはじめ、小・中、高校、大学、社会人と進み、栄光の舞台へとたどり着いた選手たち。

その中で最大の岐路ともいえるのが「高校」だろう。プロを多数輩出する名門校と都道府県大会で数回勝つのがやっとの無名校の間では、環境に明確な格差が存在する。いうならば、「エリート」と「雑草」だ。

そこで今回、プロ野球選手を多数輩出する「エリート」2校の現役選手によるベストオーダー、そしてプロ野球選手輩出1人の「雑草高校」の選手を紹介しよう。

横浜高校(19人)

春夏甲子園に30回出場。春3回、夏2回の優勝を誇り、知らぬ者はいないといってもいいほどの超名門・横浜高校。現役選手では最多となる19人を輩出しており、豪華メンバーがそろった。

【ベストオーダー】

1 中 荒波 翔(DeNA)

2 ニ 石川雄洋(DeNA)

3 捕 近藤健介(日本ハム)

4 三 筒香嘉智(DeNA)

5 一 福田永将(中日)

6 左 多村仁志(DeNA)

7 遊 倉本寿彦(DeNA)

8 右 淺間大基(日本ハム)

9 投 涌井秀章(ロッテ)

■その他投手 成瀬善久(ヤクルト)、松坂大輔(ソフトバンク)、土屋健二(DeNA)、田原啓吾(巨人・育成)

■その他野手 後藤武敏G.(DeNA)、佐藤賢治(日本ハム)、髙濱卓也(ロッテ)、乙坂智(DeNA)、下水流昂(広島)、髙濱祐仁(日本ハム)

名門・横浜高校を率いてきた渡辺元智監督が今夏の大会をもって勇退することが決まった

大阪桐蔭高校(14人)

春夏通算で甲子園15回出場。うち5回で全国制覇を果たし、今最も勢いのある名門校。現役では横浜高校に次いで多い14人を輩出。投打にスター選手がそろい、球界随一のオーダーを組むことができる。

【ベストオーダー】

1 捕 森 友哉 (西武)

2 二 西岡 剛 (阪神)

3 一 浅村栄斗 (西武)

4 三 中村剛也 (西武)

5 左 中田 翔 (日本ハム)

6 右 平田良介 (中日)

7 中 丸毛謙一 (オリックス)

8 遊 西田直斗 (阪神)

9 投 藤浪晋太郎(阪神)

■その他投手 岩田稔(阪神)、川井貴志(楽天)

■その他野手 岡田雅利(西武)、江村直也(ロッテ)、香月一也(ロッテ)

ここ10年間で、センバツ1度、夏の甲子園で3度も優勝。いまの高校野球の象徴と言っても過言ではないだろう

この豪華2チームで対戦したとなると、中村剛也や中田翔、森友哉などの長距離砲を多く抱える大阪桐蔭高校の方がやや有利だろうか。ただ、どちらの高校も、9つのポジションを守りきれるほど多数の選手をプロ野球界へと送り込んだことは立派であるのは間違いない。

高校唯一のプロ野球選手

横浜高校、大阪桐蔭高校のように出身現役選手だけでオーダーが組める高校もあれば、今までにプロ輩出がたったひとりの高校もある。

そんな「ひとり選手」たちは、高校のチーム事情もあってか、好投手が多い。強豪に挑むメンタリティーや不屈の根性がピッチングに直結しているのかもしれない。

エリートたちとは真逆を行く、「ひとり選手」から球界で活躍する主な投手を紹介しよう。

ソフトバンク

帆足和幸(福岡県立三井高校)、嘉弥真新也(沖縄県立八重山農林高校)、千賀滉大(愛知県立蒲郡高校)

オリックス

小松聖(福島県立勿来工業高校)、中山慎也(群馬県立桐生南高校)、比嘉幹貴(沖縄県立コザ高校)、海田智行(広島県立賀茂高校)、佐藤達也(埼玉県立大宮武蔵野高校)、東明大貴(富田高校)

日本ハム

森内壽春(八戸工業大学第一高校)、谷元圭介(三重県立稲生高校)、高梨裕稔(千葉県立土気高校)

西武

岸孝之(宮城県立名取北高校)、増田達至(柳学園高校)、中郷大樹(徳島県立那賀高校)

ロッテ

中後悠平(近畿大学付属新宮高校)

楽天

梅津智弘(山形県立上山明新館高校)、菊池保則(常磐大学高校)、福山博之(島根県立大東高校)、今野龍太(宮城県立岩出山高校)、辛島航(飯塚高校)

巨人

田原誠次(聖心ウルスラ学園高校)、宮國椋丞(沖縄県立糸満高校)

阪神

安藤優也(大分県立大分雄城台高校)、桑原謙太朗(津田学園高校)

中日

岩瀬仁紀(愛知県立西尾東高校)、浅尾拓也(愛知県立常滑北高校〈現・常滑高校〉)、武藤祐太(埼玉県立飯能南高校)、福谷浩司(愛知県立横須賀高校)

DeNA

須田幸太(茨城県立土浦湖北高校)、大原慎司(明秀学園日立高校)

ヤクルト

秋吉亮(東京都立足立新田高校)、杉浦稔大(帯広大谷高校)

こうして並べるだけでも、いかに好投手が眠っているかを再確認できる。高校時代の思いを胸に野球エリートたちに挑む「ひとり選手」。彼らの戦いにもまた「格差」が垣間見える。

週刊野球太郎

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