女性の体はストレスや環境の変化に非常に敏感な上、加齢とともに刻々と変化していきます。その年齢の体の悩みに的確に応えてくれるのが婦人科医。しかし実際には、定期検診どころか何か症状があってもなかなか受診しない人がいるようです。そういった状態では、重大な病気を見過ごすことになりかねません。
「かかりつけ医」を持つメリットとは?
婦人科の積極的な受診の必要性を、今一度見直しておきましょう。
いざというとき安心
婦人科には、何か症状や問題があったときだけでなく、日頃から検診などで足を運んで普段の体の様子を診てもらっておくとよいでしょう。相談しやすいお医者さんを見つけてその病院の雰囲気に慣れておけば、生理不順などちょっとしたトラブルがあったときに迷わずすぐに診察を受けることができます。
婦人科系の病気は、若い女性にも決して珍しいものではありません。特に子宮ガン、乳ガンは早期発見が治療のカギになります。定期的に婦人科で検診を受けていれば、重大な病気を早い段階で見つけ、すぐに治療を始めれば完治もできます。
目安として、20代からは最低でも1年に1度、子宮にガンや病気がないか調べる基本的な婦人科検診をセットで受け、30代からは乳ガン検診もプラスするようにしましょう。もちろん必要な検診は人によって違うので、細かい内容は医師に相談しながら決めるといいでしょう。
ちょっと聞きにくい悩みごとも相談できる!
婦人科で相談できるのは病気のことだけではありません。生理の悩みやおりものの変化、避妊や不妊について、セックスのことなど、病気というほどではないけれど気になる体の悩みについても相談していいのです。
20~30代ではセックスや妊娠のことが悩みの中心だと思いますが、閉経を迎えるころになるとホルモンバランスの崩れや更年期障害など、その年齢に応じて内容が変わってくるでしょう。そんなときかかりつけの婦人科医が頼もしい味方になってくれるはずです。 ところで、「婦人科受診の重要性はわかったけれど、費用はどれくらいかかるの? 」と思った人もいるのではないでしょうか。基本的な婦人科検診を病院で受けた場合、全額自己負担で、一般的に数千円から1万円前後かかりますが、費用は病院や診察の内容によってまちまちです。
何らかの症状があって診察を受けた場合は、治療にあたるため保険が適用されます。また自治体によって、無料または低料金で婦人科のガン検診を実施しているところも多いので、自治体のHPなどで提携の施設を調べてぜひ活用しましょう。
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善方裕美 医師
日本産婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医
1993年高知医科大学を卒業。神奈川県横浜市港北区小机にて「よしかた産婦人科・副院長」を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママでもある。
主な著書・監修書籍
『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』
『だって更年期なんだもーん―なんだ、そうだったの?この不調(主婦の友社)』
『0~6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など