JR北海道は10日、新型一般気動車の試作車(量産先行車)を製作すると発表した。同社のローカル線を走る一般気動車(キハ40形)の老朽取替用として新製され、試作車2両を2017年度に投入する予定だ。

JR北海道がキハ40形に代わる新型一般気動車の製作に着手する

新型一般気動車の製作に関しては、同社が今年3月に策定した「安全投資と修繕に関する5年間の計画」の中でも、車両の老朽対策として試作車の製作に着手することが示されていた。同社は現在、一般気動車キハ40形を140両保有(1977~1982年製造、経年32~37年)しており、これに代わる新製車両を投入することで、「安全基盤の強化を図り、安全で安定した輸送サービスを提供します」としている。

新製車両は電気式気動車とされ、主たる仕様はJR東日本が投入する予定の新型電気式気動車とほぼ同じ。エンジンの動力で発電した電力を用い、モーターで走行する電気式駆動システムを搭載する。推進軸や自在継手といった落下につながりやすい部品、変速機など構造が複雑かつ故障しやすい機器をなくすことで安全性・信頼性が向上し、電車と共通の機器を採用することからメンテナンス時の負担軽減とコスト低減も図れるという。

また、従来のキハ40形と同様、車両の前後に運転席を設置。ワンマン用設備も設け、1両ワンマン運転が可能な構造とする。冷房装置、車いすスペース、車いす対応トイレなどバリアフリー設備を充実させ、サービス品質の向上にも努める。

2017年度に試作車2両を製作した後、走行試験をはじめ、二冬期にわたる検証を実施。量産車の製作は2019年度以降を予定している。なお、新型一般気動車の最終的な製作両数は、従来車両の保有数140両を下回る見込みとのこと。