6月1日から6月30日は「不正改造車を排除する運動」の強化月間です。この期間は、不正に改造されたクルマに対しての取り締まりが特に強化されます。"自分のクルマは関係ない"と思っていませんか? 実は不正改造になることを知らずにクルマを飾ったり、パーツを取り付けたりしているユーザーが多いのです。マイナビニュースでは、不正改造の対象となる、よくある事例を紹介します。
3割以上の一般ユーザーが不正改造とは思わなかったフロントガラスの「装飾板」
国土交通省は、一般ユーザー1,760人に「不正改造車排除運動に関するアンケート」を実施しました。その結果、トラックやダンプカーで"不正改造の対象となることを知らなかった"と答えた方が34%と最も多かったのがフロントガラスに取り付けられた「装飾板」です。 また、フロントガラス内に指定以外のステッカーなどで装飾している車両も不正改造車の対象となります。フロントガラスの装飾は視界のさまたげになり、事故の原因になります。
一般ユーザー、点検整備関係者ともフロントガラス部分の回答数に注目ください。
※画像はクリックで拡大表示されます
フロントガラス下部に装飾板を施した例。赤枠部分が装飾板。 |
気軽な気持ちでランプのカラーを変えると不正改造の対象に!
「もっとクルマを派手に目立たせたい!」そんな気持ちで車幅灯などの灯火類のランプをブルーやグリーンなどのカラーに交換しているクルマを見かけますが、これも不正改造の対象となります。
車幅灯は白色であることが決められています。(下記、注の場合を除く。)灯火類は気軽に交換できるパーツなので、このような不正改造の対象となってしまうことがあります。気をつけましょう。
注1:方向指示器、非常点滅表示灯又は側方灯と一体又は兼用のもの及び二輪車については橙色でもよい。
注2:平成17年12月31日以前に製作された車両は、白色のほか、淡黄色又は橙色であっても、全ての車幅灯が同一色であればよい。
このようなブルーの車幅灯も不正改造の対象となります。 |
積載量を増やすための加工も不正改造の対象。大事故につながることも。
一度により多くの荷物を運びたい……そんな気持ちから荷台を加工している不正改造車も数多く見られます。「さし枠」を取り付けて、荷台の積載量を増やしているトラックやダンプもその一例。 自動車には最大積載量が決まっており、その積載量を超えて走行すると制動距離が延びる、カーブを曲がり切れなくなるなど非常に危険です。 また、さし枠が外れた場合、大量の土砂や荷物が周囲に落ちる可能性もあり、周辺のクルマや人を巻き込んだ大事故にもつながります。さし枠は絶対に取り付けないでください。
積載量を増やすため、さし枠を付けて違法に荷台をかさ上げした例。積載物が落下してくるなど危険。
車両の下回りにも要注意! 排気管から安全装置まで、不正改造のポイントがいっぱい。
トラックやダンプカーでは車両の下回りにも注意が必要です。
・ディーゼル車につきものの黒煙の汚染度が基準値を超えている
・排気管がボディの左向き又は右向きに開口している
・容量が大幅に異なる燃料タンクに変更している
・ボディ後面に「追突防止装置」を取り付けていない
・ボディ側面に「巻き込み防止装置」を取り付けていない
これらはすべて不正改造の対象となります。安全運転に欠かせない装置であるスピードリミッター(速度抑制装置)についてもルールがあります。スピードリミッターの解除はもちろん不正改造になります。 また、スピードリミッターを装着していることを示す黄色のステッカーが車室内の運転者の見やすい位置および車両の後面に貼付されていなければいけません。
ディーゼル車の黒煙は汚染度の値が基準内であることが求められる |
スピードリミッター(速度抑制装置)のステッカー貼付の例。赤丸部分がステッカー。 |
いかがでしたか? トラックやダンプカーを使っている方だけでなく、普通車両をご利用の方も周囲の車両をチェックしてください。 "不正改造車・黒煙110番"では、不正改造車に関する寄せられた情報をもとに、不正改造が疑わしい車両のユーザーに対して、不正改造状態の改善や自主点検等の指導を行っていますので、もし不正改造を見かけたら、"不正改造車・黒煙110番"にご連絡されてはいかがでしょうか。