経済産業省 特許庁は9日、中国国家知識産権局(以下、SIPO)とともに「日中審判専門家会合」を日本で初めて開催すると発表した。併せて、審判官同士が直接意見交換を行う「日中韓国際審判官協議」などを実施し、特許審判における協力関係を拡大していく。
同庁によると、日本企業の海外現地法人保有数は中国が最も多く、中国への輸出額も米国に次ぐ2位となっている。また、日本から中国への特許出願件数は世界1位の約4.0万件(2014年)に上るという。
特許権の取得・維持には、審査官による審査を経た後の審判手続きが重要となる場合があるが、中国の審判制度については情報が少なく、また日本の審判制度と異なる点も多いため、知財紛争において日本企業が適切な対応を取ることが難しい場合が多々ある。そのため、SIPOに対して定期会合や交流を行い、審判制度に関する情報共有ができるように働きかけてきたという。
日中審判専門家会合は6月24、25日に開催。SIPO審判部門のトップをはじめとする代表団が来日し、今後の情報交換の枠組み、直近の制度改正や制度見直しの状況などについて協議する。
2015年秋には、中国で日中韓審判専門家会合の開催を予定しており、セミナーや各国審判制度の比較を実施する。さらに、2016年には日本が同会合をホストする予定であるほか、2015年中には日中韓の審判官同士が直接議論する国際審判官協議を韓国で初めて開催する。