財務省は8日、2015年4月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は1兆3,264億円の黒字となり、4月としては2010年(1兆5,863億円の黒字)以来、5年ぶりの高水準となった。黒字は10カ月連続。黒字幅は前年同月と比べて1兆1,056億円拡大した。
貿易・サービス収支は6,707億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で7,465億円縮小した。赤字は2カ月ぶり。「貿易収支」および「サービス収支」がともに赤字幅を縮小したため、赤字幅は縮小した。
貿易収支は1,462億円の赤字で、赤字幅は同6,434億円縮小した。赤字は2カ月ぶり。原油価格の下落などにより輸入額が減少したことや、輸出が持ち直していることなどから、赤字幅は縮小した。
輸出額は同2,450億円(4.1%)増の6兆2,287億円と、26カ月連続の増加。輸入額は同3,984億円(5.9%)減の6兆3,749億円と、4カ月連続で減少した。
また、同省関税局がまとめた2015年4月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は同4,830億円(8.0%)増の6兆5,502億円となった。商品別では、自動車が同662億円(7.3%)増、半導体等電子部品が同341億円(11.5%)増など。主要地域別では、対米国が同2,388億円(21.3%)、対アジアNIEsが同1,018億円(7.7%)増などとなった。
輸入額は同2,867億円(4.2%)減の6兆6,060億円。商品別では、原粗油が同3,863億円(34.6%)減、液化天然ガスが同2,261億円(35.0%)減など。主要地域別では、対中東が同4,363億円(34.9%)減などとなった。
サービス収支は5,245億円の赤字で、赤字幅は同1,031億円縮小した。赤字は2カ月ぶり。訪日外国人が増加し、「旅行収支」が過去最大の黒字を記録したほか、「知的財産権等使用料」が4月としては過去最大の黒字となったことなどから、赤字幅は縮小した。
第1次所得収支は2兆1,971億円の黒字で、黒字幅は同3,522億円(19.1%)拡大した。直接投資収益が増加したことなどから、黒字幅は拡大し、4月としては過去2番目の黒字額となった。
第2次所得収支は2,001億円の赤字で、赤字幅は同69億円縮小した。