台湾BenQは4日、COMPUTEX TAIPEI 2015と合わせBenQ本社のプレスツアーを開催。世界初という144Hzリフレッシュレートの曲面ディスプレイや、プロジェクタ用のワイヤレスアダプタなど、コンシューマ向け・ビジネス向け製品のデモンストレーションを行った。

台湾・内湖区に位置するBenQ本社。ちなみに道路を隔ててすぐ隣には台湾NVIDIAがある

144Hzリフレッシュレートの湾曲35型ディスプレイ、今夏に日本投入

「XR3501」。144Hzという高いリフレッシュレートで、レーシングゲーム時に表示される、流れるような風景の自然な描画が可能という。デモでは3台をつなげていたが、実際の発売は1枚ずつ。3枚つなげることでより深い湾曲となり没入感が高まるとのこと

35型のゲーミングディスプレイ「XR3501」は、画面が湾曲した2,560×1,080ドットの液晶ディスプレイ。「他社製曲面ディスプレイで144Hzのリフレッシュレート対応製品はまだない」として、世界初をうたう。発表自体は4月末になされているが、今回、日本への投入予定や価格が明かされた。デモンストレーションでは製品を3台並べた状態で、顔の周りを取り囲むかのような深い湾曲でレーシングゲームを試すことができた。

なお、本製品はNVIDIAのディスプレイ同期技術「G-SYNC」や、AMDによるディスプレイ同期技術「FreeSync」はサポートしない。ただし、将来的に、次世代モデルでの搭載は検討する、とのこと。

パネルタイプはAMVAで、sRGB比100%の色域をカバー。また、ちらつきを低減するフリッカーフリーやブルーライト低減機能も備える。インタフェースはHDMI 1.4×2、DisplayPort 1.2、ミニDisplayPort、ヘッドフォンジャックなど。

ワールドワイドへの出荷は今週から開始。日本での発売は7月から8月をめどに行い、価格は999米ドル(約124,000円)以下を想定している。

「XR3501」を3台つなげると、半球にも近い深い湾曲となる。ゲーム環境としては最強だが、35型ディスプレイを3台並べるスペースの確保は難しそうだ

端子類は背面にまとめて配置。HDMI 1.4×2、DisplayPort 1.2、ミニDisplayPort、ヘッドフォンジャックなど

実際のデモンストレーション

スマホ/タブレットとプロジェクタをNFCでペアリング

また、スマートフォンやタブレット内の画面をワイヤレスでプロジェクタで再生できる専用キット「Quick Wireless NFC Kit」も紹介された。

Quick Wireless NFC Kitのパッケージ。この写真ではNFCワイヤレスドングルは中に入っていないが、実際には下記写真のNFCワイヤレスドングルも入っている

「Quick Wireless NFC Kit」は、NFCワイヤレスドングル、NFCカード、NFCステッカー、USBドングルがセットになったキット。プロジェクタのUSBポートにNFCワイヤレスドングルを接続し、NFC搭載のスマートフォンやタブレットをかざしてペアリングすると、スマートフォンやタブレット内の画面をワイヤレスでプロジェクタ上に再生できる。端末の画面上に手書きで描いた文字やイラストもリアルタイムで反映するほか、端末側でカメラを起動すると、撮影画面がそのままプロジェクタ上に表示される。接続は無線(IEEE802.11b/g/n)によるP2P。

端末とプロジェクタの接続は、NFCのほか、Android対応の「tapNshow」アプリ、Android/iOS対応の「QPresenter Pro」アプリを使用しても接続できる。PCと接続する場合には付属のUSBドングルをPC側に挿して使用する。

台湾や米国などで販売しているが、まだ発売したての最新製品のため、日本では未提供。価格はや約70~80米ドル。

NFCワイヤレスドングル。接続はUSBで、NFC端末をかざすことでペアリング可能

カメラを起動すると、撮影画面がそのままプロジェクタ上に表示され、プロジェクタを見ながら写真の構図やフォーカスなどを確認できる

手書きの文字もスムーズに反映される

このほか、教育/ビジネス向けのディスプレイも多く展示していた。教育向けには、スクリーン設置型のプロジェクタ用センサーを展示。センサーとソフトウェアで、指の触れる位置を検出し、通常のスクリーンでタッチ操作が行える。

スクリーンに設置するプロジェクタセンサー。指の位置を検出し、スクリーン上でタッチ操作を行える。教育市場向けの製品

また、ビジネス向けには、映像を半透明で再生するディスプレイ用モニタを紹介。ショッピングモールや小売店舗、ドリンク販売コーナー(飲み物用の冷蔵庫)などでの展開を予定する。

ディスプレイ奥の製品が見える、ディスプレイ用モニタ。デモでは、奥にマニキュアが飾られたディスプレイ上に、実際にマニキュアを塗っている映像やマニキュアのカラーラインナップを紹介する映像が半透明で流れていた

BenQグループの照明メーカーであるQisDESIGN製のルームライトも展示されていた。写真はくらげをイメージした「Aurelia」と卓上型ライトの「Llamenca」