東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 女性健康医学講座の寺内公一准教授の研究グループはこのほど、トマトジュースを摂取すると血中の中性脂肪が低下することを明らかにした。
同研究は、トマトジュースがミドルエイジ女性の健康に与える影響について明らかにすることを目的に、40歳以上60歳未満の女性95名を対象に実施した。正確なデータを得るために、対象者には、試験開始2週間前から生トマトやトマト製品の摂取を制限した上で実験を行った。
試験では、対象者に食塩無添加トマトジュース200mlを1日2回、朝夕食直前に8週間摂取してもらった。摂取開始前、摂取4週間後および8週間後の3回にわたり、体組成、血圧、動脈硬化指数、安静時エネルギー消費量、更年期症状、血清脂質、血糖などの検査を行い、統計学的解析を行った。
その結果、トマトジュースを1日2回朝夕食前に摂取すると、4週間後および8週間後に安静時エネルギー消費量が増加し、血清中性脂肪高値が改善することが明らかになった。そのほか、更年期症状スコアの改善、不安症状スコアの改善、心拍数の増加などの変化も見られた。
これまでに、トマトジュースに含まれる「13オキソ ODA」が糖尿病モデルマウスにおいて、血液・肝臓・筋肉の中性脂肪を低下させることや、「エスクレオシド A」がメタボリック症候群モデルマウスにおいて血清中性脂肪を低下させることが報告されていた。トマトジュースの摂取で、ヒトにおいても同様の効果が得られることを解明したのは世界で初めてのことであるという。
同研究成果は4月8日、国際栄養学雑誌「Nutrition Journal」(オンライン版)で発表された。