スターバックス コーヒー ジャパンが6月3日に発売した新フラペチーノ「チョコレート クランチ フラペチーノ」(価格はTall590円、Grande630円、Venti670円・税別)。チョコレート尽くしの内容で、ネット上では実は発売前から話題となっていた。

こだわりのチョコレートソース

「チョコレート クランチ フラペチーノ」

7月14日までの夏季限定販売となる同商品は、コーヒーべースのフラペチーノにチョコレートソース、チョコレート風味のビスコッティ、ローストアーモンドをミックス。コーヒーホイップクリームとチョコレートソース、カカオニブ(砕いたカカオ豆)をトッピングしている。

実際にいただいてみると、なに、このザクザク食感! ビスコッティとローストアーモンドの食感がしっかりと感じられ、飲んでいてすごく楽しい。そして、冒頭にも書いたように、チョコ! チョコ!! チョコ!!! といったチョコ尽くしの内容ではあるが、「濃い!! 」という印象は全くない。冷たいフラペチーノなのにカカオの香りが立っていて、不思議と飲んだ後のくどさがないのだ。これは、商品開発時の苦労は相当なのでは……。

同商品の開発担当であるスターバックス コーヒー ジャパンのビバレッジ担当・中島史絵さんによると、チョコレートソースが非常に特徴的なのだとか。「コーヒーベースのフラペチーノには、『イタリアンロースト』と『エスプレッソロースト』のコーヒーが原料として使われていて、これらとの相性を考え、ドミニカ産カカオマス(カカオ豆をペースト状にしたものでチョコレートの原料)を使ったチョコレートソースを開発しました。華やかな香りのカカオマスなので、冷たいフラペチーノでもほのかな香りを感じられると思います」。

フラペチーノにこのチョコレートソースを混ぜ込んでいるのだが、混ざりきってしまうのではなく、チョコレートソースの部分がしっかりと残っているのも面白い。「完全にチョコレートソースがドリンクに溶け込んでしまうのではなく、あえて、混ざりきらない状態に仕上げています。コーヒー風味の部分、チョコレートソースの部分……と分かれていることで味や舌触りにコントラストが出て、これだけチョコレートを使っているにもかかわらず濃厚過ぎない味わいになっています」。

「チョコレート クランチ フラペチーノ」に使っているチョコレート風味のビスコッティとローストアーモンド、チョコレートソース

そしてこのチョコレートソース、チョコレートを溶かしたような質感を目指すため、水分を含ませずになめらかな舌触りに仕上げたものなのだとか。「濃度を出すことで、ベースの部分に溶けないソースとなっています。冷えても固まらないような組み立てにしているのもポイントですね」。

最近では、夏向けのチョコレート菓子も多く販売されているが、この時期に発売するチョコレート味のフラペチーノとして気を使ったポイントはどのあたりなのだろうか。

「夏だからといって、あっさりさを追求しすぎてしまうと、チョコレートらしさが出ない。かといって、濃厚すぎると飲んでいてつらいですよね。そのさじ加減は重要でした。香りのよいカカオマスやカカオニブを使ってチョコレート感を出しつつ、チョコレートソースは軽やかさが出るように注意しました」。

スターバックスのフラペチーノといえば、見ていてうきうきするような楽しさが感じられるものばかりだ。今回の商品も、上品なカカオの香りに包まれつつ、様々な食感で飽きさせない楽しさがある。ネット上を見ていても、「飲むチョコ! 」「絶対飲む!! 」とテンション高めなコメントが発売前から目立っていた。スターバックスならではの夏のチョコレート。飲んでみる価値アリだ。

(撮影: 福田栄美子)