スズキは3日、3代目となる新型「アルト ラパン」を発表し、都内で発表会を実施した。2002年の誕生以来、同車は若い女性ユーザーを中心に評価を得ており、今回の全面改良でも、デザインや機能・装備などに女性視点を盛り込んだという。

3代目となるスズキ新型「アルト ラパン」

新型「アルト ラパン」では、開発が始まる1年前から女性ワーキンググループによる調査・分析が行われ、「女性が購入を考えるとき、真っ先に思い浮かべるクルマにしたい」という開発陣の思いが詰まった1台に。エクステリアは同車ならではの箱型フォルムに丸みを加えた「まる しかくい」プロポーションで、ぬくもりを感じるデザインとした。ボディカラーは新色2色を含む全12パターンが設定されている。

インテリアは明るい内装色を用い、自分の部屋で好きな家具に囲まれているような雰囲気を演出。インストルメントパネルは開放感のある造形となり、一部機種で白木目調のカウンターをイメージしたインパネデザインが採用された。ナビゲーションパネルはフォトフレーム、メーターは置き時計をモチーフとしたデザインで、ソファをイメージしたシートは質感や柄の異なる3種類を用意した。

多彩なシートアレンジに加え、収納スペースも豊富で使いやすさも追求された。「ナノイー」搭載フルオートエアコン、プレミアムUV&IRカットガラス、運転をサポートするメーター音声案内機能といった女性にうれしい機能・装備も採用。新プラットフォームと効率を高めたパワートレインなどにより、先代モデルと比べて120kgの軽量化が図られ、35.6km/リットル(JC08モード)の低燃費も実現している。

発表会にスズキ代表取締役副社長の本田治氏(写真右)らが登壇

新型「アルト ラパン」では女性開発者が活躍したという

発表会にはスズキ代表取締役副社長、本田治氏らが出席。「数年前から『スペーシア』『ハスラー』の販売を通じてお客様の平均年齢が下がっており、『アルト ラパン ショコラ』も、従来のラパンより若い女性の方々に購入していただいています。どうすれば若い世代に関心を持ってもらえる商品となるか考え、開発を続けています」と本田氏は述べた。

報道陣との質疑応答では、「競合車種の『ミラ ココア』(ダイハツ)とどこで差異化を図るのか?」と質問も。本田氏は「ミラ ココア」のほうがより幅広い層をターゲットにしているのではないかと予想した上で、「ラパンを好きという女性は徹底して好きになっていただいているように思います。商品の位置づけで違いがあるとすれば、ラパンのほうがより特化している、尖がっている商品といえます」と答えていた。

新型「アルト ラパン」は3日から販売開始。「G」「L」「S」「X」の4機種あり、価格は107万7,840～149万2,560円(税込)。販売目標台数は月間4,000台とされている。