オリコンはこのほど、20~30代の男女を対象にした「お酒に関する意識調査」を行い、昨今の若者のビールの楽しみ方を分析した結果を公表した。
調査は5月1~8日に実施。全国の20・30代の男女各150人、計600人がアンケートに答えた。その結果、居酒屋などで最初に飲む飲み物として「ビール」と答えた人が50.8%で最多。「酎ハイ・サワー」(18.7%)、「カクテル」(13%)など以下を大きく引き離した。一方、居酒屋などでビールを「飲まない」「あまり飲まない」と回答した人は、それぞれ29.8%、16.5%と、合わせて半数近くはビールをそれほど好まないこともわかった。理由としては「味が好きではない」が68.7%で、「苦い」(60.1%)、「おなかにたまりそう」(15.8%)などの回答が続いた。
ビールを飲まない人のうち、飲むことが多い飲み物の1位は「酎ハイ・サワー」で51.4%。そのほかは「カクテル」(28.2%)、「梅酒」(34.2%)、「果実酒」(32%)と、甘くて飲みやすい種類が続き、理想とするビールでも「苦くない」(45.3%)、「甘い・フルーティー」(34.5%)、「軽い飲み心地」(26.6%)などが上位を占めた。
昨今、日本でも種類が増えている、フルーツなどで風味付けをした“フレーバービール”について、飲んだことのある人は24.8%。このうち「好き」「まあまあ好き」と答えた人は合わせて68.4%に及んだ。具体的においしそうだと思うフレーバーでは、「レモン」が68.5%。以下「パイナップル」(36.6%)、「チェリー」(30.1%)、「ストロベリー」(27.3%)が上位4つとなった。
今回の調査結果を受け、ビールやコンビニのトレンドに詳しい流通評論家兼公認会計士の眞山徳人氏は「フレーバービールは、若者が苦手としている味わいを、飲みやすく気軽に飲めるように設計したことで、若者層を取り込みヒットにつながっている」と分析する。 また、世界のビール博物館横浜店で店長を務める溝田俊英氏には「ビールの野外イベントも人気を集めており、それに合わせて日本のクラフトビール会社さんが地元産の果物を使ったフレーバービールを造り始めたのですが、 ようやく浸透してきたように思います」と語る。そして実際にも「ビールが苦手という方に対して、フレーバービールをご提案すると、まずはその味覚に大きな衝撃を受けられ、最終的には気に入っていただく方もいらっしゃいます。その中でも、海外で人気のフレーバービールと言うと、ドイツの『ラドラー』。ドイツ国内だけではなく、ヨーロッパ全体でも親しまれているフルーツビールで、ドイツに住まれていた方などで、日本でラドラーを探されている方というのが実はけっこう多かったんです」と背景や実店舗における消費者動向から感じているトレンドを話してくれた。