世界ランキング5位のテニス・錦織選手が日本時間5月31日、フランスのパリで開催されている全仏オープンの男子シングルス4回戦に出場。世界ランキング74位のテイムラズ・ガバシュビリ選手(ロシア)にセットカウント3-0(6-3、6-4、6-2)で勝利し、同大会で日本男子として82年ぶりとなるベスト8進出を決めた。
雨の影響で、スザンヌ・ランランのコートに現れるのが2時間以上遅れても、日本テニス界のエースは集中力を切らしていなかった。
第1セットの第1ゲーム、フォアのウィナーでこの試合最初のポイントを奪うなど、格下のガバシュビリ選手相手に序盤からエンジン全開。第2ゲームで早くもブレークに成功すると、自身のサービスゲームでは早いゲーム展開から次々にポイントを重ねていく。この日は1、2回戦でやや苦戦したファーストサーブも好調。5-3で迎えた第9ゲーム、サービスエースでセットポイントを奪った。
迎えた第2セット。ガバシュビリ選手のファーストサーブが入り始めた一方で、雨脚が強くなってきた影響からか錦織選手のエラーも目立ち始めた。それでも、要所では厳しいコースにウィナーを決めていく錦織選手。真骨頂を見せたのは第3ゲームだ。ガバシュビリ選手が強烈なサーブやカウンターなどでポイントを奪えば、錦織選手も粘り強いストロークでポイントを重ねていく。一進一退のデュースが続き、5分以上の長いゲームとなるが、最後は根負けするような形でガバシュビリ選手がダブルフォルトを2つ重ね、錦織選手がブレークした。
第5ゲームでもブレークに成功した錦織選手は、この試合初めてブレークを許す場面もあったが、第2セットを6-4でしっかりとものにする。
第3セットも第1ゲームからいきなりブレークして主導権を握る。錦織選手は依然としてファーストサーブが好調で、簡単に自身のサービスをキープ。一方のガバシュビリ選手は、時折ライン上などの厳しいコースに強烈なフォアを決めるものの、ポイントが続かない。 最後は第1、第2セットの勢いそのままに錦織選手が6-2で押し切り、ストレートで勝利した。
錦織選手は自身初の、そして日本男子では1933年の佐藤次郎選手以来、82年ぶりとなる全仏オープンのベスト8進出を決めた。錦織選手は、準々決勝でトマーシュ・ベルディヒ選手(チェコ共和国)対ジョー・ウィルフリード・ツォンガ選手(フランス)戦の勝者と対戦する。