ダイソンは5月29日、「Jake Dyson Light」シリーズの新製品として「Ariel(アリエル) ペンダントライト」を発表した。その発表に合わせて、Jake Dyson Lightの開発者でもあり、Dysonの創業者ジェームズ・ダイソンの長男でもあるジェイク・ダイソン氏が来日。ダイソンの旗艦店「Dyson 表参道」にて開催された報道関係者向けの製品発表会に登場し、Jake Dyson Lightの製品に搭載されている技術「ヒートパイプテクノロジー」について説明した。
Jake Dyson Lightがダイソンブランドの傘下に組み入れられ、ダイソンからJake Dyson Light製品が発売されることになったのは4月のこと。すでにスタンドライト「CSYS(シーシス) タスクライト」の3製品は発売されている。
このたび新しくラインナップに加わるのは、Ariel ペンダントライトだ。天井から吊り下げて使用するペンダントライトで、主にオフィスやレストランなどでの使用が想定されている。販売時期と価格については未定だ。
本当は一生使えるはずのLED照明
Jake Dyson Lightのプロダクトにおける大きな特徴は、その冷却技術。ジェイク・ダイソン氏は「なぜ一般的なLED照明の寿命は3万時間や5万時間なのだろうか?」と考えた。LEDの基本原理を考えると、その寿命は「一生」であってもおかしくないからだ。熱がLEDの劣化に影響していると考えたジェイク・ダイソン氏は、長寿命のLEDを実現するには、冷却が重要だという結論に至った。
冷却技術として「ヒートパイプテクノロジー」を採用。これは人工衛星にも用いられている技術で、LEDから発生した熱を逃がすためのもの。使用しているのは中が真空になった銅製のチューブ。真空空間には1滴の水が入っている。熱が加えられると、中の水が蒸気になってチューブ内に拡散し、アルミニウム製のヒートシンクへ熱を逃がすという仕組みだ。通常のLEDは120~140℃にまで熱くなってしまうが、ヒートパイプテクノロジーのおかげで、CSYS タスクライトは55℃にキープ。冷却することよって、1日に12時間、フルパワーで使用した場合、最低でも37年間使えるとしている。これはもちろん、色や明るさを保ちながら、である。
人工衛星みたいなAriel
Ariel ペンダントライトは、ダイソンが今度BtoB分野に進出していくことを示唆する製品だといえる。ジェイク・ダイソン氏は、Ariel ペンダントライトについて「イギリスが初めて宇宙に出した人工衛星の名前と同じ」だと語る。いわれてみれば、Ariel ペンダントライトの形状は人工衛星によく似ている。
Ariel ペンダントライトは、9,000ルーメンを実現するハイパワーなLEDチップを採用しており、特殊なレンズで光を拡散させている。CSYS タスクライトよりも高出力でありながら、使用時の温度はヒートパイプテクノロジーによって47℃にキープしている。
ダウンライトとアップライトの2モデルを用意。ダウンライトは長方形の光で、ジェイク・ダイソン氏はオフィスのデスクなどに最適だとする。アップライトは天井を直径1mの光で照らす間接照明だ。
ダイソンにとっても、照明は大きなカテゴリに
ジェイク・ダイソン氏は、自分が10年開発に携わってきたJake Dyson Light製品をダイソンブランドから発売できるということを誇りに思うと述べた。自分の抱いている照明への意志はダイソンを通じて実現できるとし、また、ダイソン製品の中でもJake Dyson Lightシリーズが強いカテゴリに成長していくだろうと結んだ。