既報の通り、米Googleは28日(現地時間)、開発者イベント「Google I/O 2015」にて、Androidの次期メジャーアップデート版「Android M」の開発者向けプレビュー(Developer Preview)を発表した。同日より開発者向けサイトからダウンロードできる。サポート端末はNexus 5、Nexus 6、Nexus 9およびNexus Player。
「Android M」では、プラットフォームに大きな変更を加え、1,000を超えるバグ修正に基づくユーザーインタフェースの改善に焦点をあてたという。新機能としては、Google Nowをより便利に利用する「Now on tap」、モバイル決済サービス「Android Pay」、指紋認証などを実装している。
新機能のポイントは、●アプリ・パーミッション(App Permissions)、●ウェブ体験(Web Experience)、●アプリ・リンク(App Links)、●モバイル決済(Mobile Payments)、●指紋認証サポート(Fingerprint Support)、●バッテリ関連と充電(Power&Charging)の6つ。
App Permissionsでは、ユーザーがアプリのアクセス許可(パーミッション)をコントロールできる。アプリは実行時にカメラやマイク、カレンダーなど個別機能へのアクセス許可をリクエストし、ユーザーは該当するアクセス許可の承認/否認を選択できる。また、ウェブ体験では、アプリ内でWebサイトを閲覧する際、機能制限されたアプリ内WebViewではなく、純正のChromeブラウザを利用することが可能となった。
App Linksは、アプリ間の連携を強め、ユーザーがより手軽にひとつのアプリから別のアプリを利用できるようにする機能。例えばあるアプリからURLをクリックした場合、従来はユーザーがアプリを選択できたが、この機能ではリンク先のコンテンツに関するネイティブアプリを自動で開くように指定できる。
バッテリ関連では、「Doze」と呼ばれる新機能を搭載。Android Mでは、デバイスがスリープ中にユーザーによる動作を検出し、長く放置されているかを判別する。長くアクセスされない場合はバックグラウンドの動作を低減し、バッテリ駆動時間を伸ばす。Dozeの採用により、例えばNexus 9のスタンバイモード時のバッテリ駆動時間は、Lollipop時代から2倍になった。また、USB Type-Cもサポート。ケーブル接続時に、充電や給電、データ転送を行うかなど、接続後の挙動を選択できるようになっている。
このほか、指紋認証を新たにサポート。デバイスのロック解除やGoogle Playコンテンツの購入などのほか、後述するAndroid Payでも利用できる。指紋認証用の新APIも用意され、開発者は制作したアプリに、指紋認証を組み込むことができる。
Now on tapとAndroid Pay
一般ユーザーに関わる大きな新機能では、「Now on tap」と「Android Pay」の2つが挙げられる。
「Now on tap」は、例えば友人から明日の映画鑑賞についてのメールが来たとき、アプリを切り替えることなくGoogle Nowを呼び出し、トレイラーの視聴やチケットの予約をそのまま取るなど、Google Nowをより便利に活用しユーザーを支援する機能。使用中のアプリやWebサイトなどから離脱することなく、ホームボタンを長押しすることで起動、利用できることが特徴だ。
Android Payは、近接無線通信に対応したAndroid端末経由で支払いができる、モバイル決済サービス。クレジットカードやデビットカードを登録すると、米国の約70万以上店舗やオンラインショップで支払いが行える。日本でのローンチは未定。
開発者向けプレビューは、「Android M」が一般公開されるまで提供される。正式版の公開は2015年のQ3期を予定している。