総務省が29日に発表した2015年4月の労働力調査(速報)によると、4月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の3.3%と、1997年4月(3.2%)以来、18年ぶりの低水準を記録した。また、厚生労働省が同日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は同0.02ポイント上昇の1.17倍と、1992年3月(1.19倍)以来、23年1カ月ぶりの高水準となった。

完全失業率の改善は3カ月連続

完全失業率の改善は3カ月連続。男女別に見ると、男性は同0.2ポイント低下の3.4%、女性は同0.1ポイント上昇の3.2%となった。年齢階級別では、男性は全ての年齢階級で改善した一方、女性は「25~34歳」と「45~54歳」の年齢階級で悪化した。

完全失業者の対前年同月増減と完全失業率(季節調整値)の推移(出典:総務省Webサイト)

完全失業者数(原数値)は前年同月比20万人(7.9%)減の234万人と、59カ月連続の減少。男女別に見ると、男性は同16万人減の134万人、女性は同5万人減の99万人となった。

就業者数(原数値)は同4万人(0.1%)増の6,342万人と、5カ月連続の増加。就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合、原数値)は同0.1ポイント上昇の57.3%で、このうち15~64歳の就業率は同0.5ポイント上昇の72.9%となった。

雇用者数(原数値)は同29万人(0.5%)増の5,578万人と、28カ月連続の増加。雇用形態別に見ると、正規の職員・従業員数は同6万人(0.2%)増の3,294万人、非正規の職員・従業員数は同30万人(1.6%)増の1,939万人となった。

4月の有効求人倍率は1.17倍、1992年3月以来の高水準

一方、厚生労働省が同日発表した2015年4月の一般職業紹介状況によると、4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.17倍となり、1992年3月(1.19倍)以来、23年1カ月ぶりの高水準を記録した。改善は2カ月ぶり。

求人、求職および求人倍率の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

都道府県別の有効求人倍率を見ると、最も高かったのは東京都の1.67倍、最も低かったのは埼玉県の0.78倍となった。

新規求人倍率(季節調整値)は前月比0.05ポイント上昇の1.77倍。正社員有効求人倍率(同)は同0.01ポイント上昇の0.72倍となった。

有効求人数(季節調整値)は同0.8%増、有効求職者数(同)は同0.7%減。新規求人数(原数値)は前年同月比0.1%増となり、産業別に見ると、教育、学習支援業は同9.2%増、医療、福祉は同7.7%増などと増加した一方、サービス業(他に分類されないもの)は同7.4%減、運輸業、郵便業は同6.6%減などと減少した。