デザイナーであれば、一度は利用したことのある「ストックフォト」。ゲッティイメージズが運営しているiStockは、撮影の手間をかけることなく、膨大なストックフォトの中から、イメージ通りの写真を購入できるサービスだ。

使う側から見ればこうした捉え方になるが、iStockに作品を提供するフォトグラファーにとっては、いかに「ユーザーに選ばれる写真を登録するか」が成功の鍵となってくる。そのためには「写真のトレンド(ニーズ)を押さえる」ということも重要になる。

そこで今回、iStockクリエイティブ プランニング部門ディレクターのRebecca Swift(レベッカ スィフト)氏に、「2015年のストックフォトのトレンド」についてのお話を伺った。

iStock検索ページ。キーワードを入れるとそれに合った写真やイラストレーション、動画コンテンツが表示される。コンテンツ数は3,000万点以上、iStock限定の写真はものだけで900万点以上もある

Rebecca Swift氏。個性的なヘアースタイルと綺麗な笑顔が印象的だ。ちなみに以前お会いした時は、髪は真っ赤に染められていた

Rebecca氏は、現在iStockでコンテンツの作成を担当するほか、ビジュアルコミュニケーションの将来について多くの分析結果を発表しており、あらゆる業種のトレンド、「今、世の中でどのような写真にニーズが集まっているか」ということに関するスペシャリストだ。

――2015年のストックフォトに関する、世界的なトレンドについて教えてください。

Rebecca氏:

メガトレンドとしては、ソーシャルメディアを取り巻く「PERFECTLY IMPERFECT(完成された未完成)」というテーマです。これは分かりやすく言うとアマチュアが撮ったような写真のこと。「計算された素人っぽさ」が見る人の感情に訴えかけ、写真からストーリーや人間性までが感じられるような写真がトレンドとなっています。

「PERFECTLY IMPERFECT」/Getty Images.誰でも撮れそうで撮れない、計算され尽くしたプロのフォトグラファーによる未完成の写真。そんな「ゆるさ」が2015年大きなトレンドとなっているという

そのほかにも、一風変わった視点でシャッターを切った「POINT OF VIEW」、さまざまな年齢、人種、シーンを捉えた「ALL KINDS OF PEOPLE(多種多様な人々)」なども大きなトレンドですね。

「POINT OF VIEW」/Getty Images.

「ALL KINDS OF PEOPLE」/Getty Images.