ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-ACE」を利用した「地球シミュレータ」が、6月1日から国立研究開発法人 海洋研究開発機構で運用を開始する。
「地球シミュレータ」は、地球温暖化の影響の精細な評価や気候変動の予測、台風や集中豪雨などの気象現象の再現・予測、地震発生機構の解明など、海洋地球科学分野の研究に利用されるシステム。2002年から運用しており、2009年にシステムを更新。今回の更新で第3世代のシステムとなる。
今回のシステムは「SX-ACE」5,120ノードから構成される、最大理論性能1,310TFLOPS(テラフロップス)の大規模システム。このシステム更新により、従来採用されていたスパコン「SX-9」比で10倍となるラック演算性能を備え、従来では難しかった複雑なシミュレーションや、より大規模なシミュレーションを高速で行えるようになった。
「SX-ACE」は、マルチコア型ベクトルCPUを搭載し、64GFLOPSのコア性能および64GB/秒のコアメモリ帯域を実現したNECのベクトル型スーパーコンピュータ。科学技術計算や大規模データの高速処理を得意とし、気象予報や地球環境変動解析などのシミュレーションにおいて高いアプリケーション実行性能を持つ。