メドピアはこのほど、医師を対象に実施した「腹腔鏡手術をはじめとする難易度の高い先進医療」についてのアンケート結果を明らかにした。調査期間は4月6日~8日。
同調査は、群馬や千葉の医療機関で腹腔鏡手術に関する問題が相次いだことを受け、会員医師374名(外科:163名、外科以外:211名)を対象に行ったもの。
まず、難易度の高い腹腔鏡手術や医療を行う上で、自身または周囲で、群馬や千葉の医療機関と同じような事例が起きたり、起きるかもしれないと感じたりしたことはあるか尋ねた。すると約4割が「問題が起きたことがある、または危機感を感じたことがある」と回答した。
このような問題を防ぐことができない要因となっているものについて聞くと、半数以上の医師が「専門が細かく分かれているため、他科の診療方法が分かりにくい」と答えた。約4割は「執刀医には口出ししにくい雰囲気がある」と回答している。
「患者の安全」と「医療の進歩」どちらが重要だと思うか尋ねると、「患者の安全」と回答した医師の方が約6割で多かった。理由として「患者はモルモットではない(50代、消化器外科)」「腹腔鏡は低侵襲ということで行われているので、それで危険性が高まるのなら本末転倒(30代、呼吸器外科)」などのコメントが寄せられた。
一方で「医療の進歩」と回答した約4割の医師からは、「安全のみを優先していては進歩がない(40代、整形外科)」「将来多くの人を救える(30代、整形外科)」といった理由が挙げられた。
「難度の高い治療」のあり方についての意見では、「常に他の安全な術式に移行することを躊躇(ちゅうちょ)しないこと(50代、一般外科)」「標準治療でなければ十分な研鑚(けんさん)が必要(50代、一般内科)」や、「医局がしっかりするべき(40代、眼科)」「技術認定制度などのもとで手術を行うような制度設計が望まれる(40代、産婦人科)」などがあった。