鉄道友の会が選定する2015年ブルーリボン賞に、JR東日本E7系・JR西日本W7系が選ばれた。ブルーリボン賞は国内で営業運転を開始した新造・改造車両の中から、選考委員会が利便性や快適性・環境対応・新技術の有効活用などを総合的に評価し、最優秀と認めた車両に授与する賞とされている。

JR東日本E7系の外観と「グランクラス」車内(JR東日本提供)

選考理由に関して、鉄道友の会は「厳しい線区条件のもとで安全性と信頼性を確保していること」「『和の未来』をコンセプトしたデザインを積極的に採用するなど、北陸への新しい大動脈となった北陸新幹線を強くアピールしていること」の2点を挙げた。

E7系・W7系が走行する北陸新幹線には、山岳区間特有の連続急勾配があり、冬季は地上設備に頼らない車両側での自力排雪走行が求められる。さらに50Hz・60Hzの電源周波数の切換えも途中3カ所に及ぶなど、厳しい線区条件となっている。

「和の未来」のデザインコンセプトは、車両外観とインテリアの両方に反映されており、外観は車体上部に空色、車体側面は日本的な気品や落ち着きを表現したアイボリーホワイトとし、日本の伝統工芸である銅器や象嵌の銅色と空色を帯として配した。インテリアはクラスごとに演出を変え、「グランクラス」は「人と空間の和」をテーマに重厚な空間を演出。グリーン車は「様式美の和」をテーマに伝統とモダンの融合を演出し、普通車は「彩の和」をテーマに明るく楽しい空間を演出した。