台東モノマチ協会は24日まで、「街」と「ものづくり」の魅力を体験できる「モノマチセブン」を東京都台東区の徒蔵一帯で開催している。

「街」と「ものづくり」の魅力を体験できる「モノマチセブン」開催中!

「モノマチ」ってなに?

「モノマチ」は、東日本大震災が発生した2011年より始まったスタートしたイベント。"北の玄関口"である上野駅にほど近い同地域には、下町ならではの老舗店や古くからの工房、若手クリエイター支援施設が軒を連ねる。その地域の特性を生かした震災復興支援をできないか、ということでスタートした。

モノマチセブン広報の樋口珠由子さんによると、初年度参加店は20店舗ほどであったが、7回目となる「モノマチセブン」では254店舗にまで規模が拡大。インテリア、ファッション、生活雑貨、クラフト・材料、食品、飲食店など様々な業種が参加している。

御徒町、蔵前、浅草橋にかけての2キロメートル四方が会場(モノマチセブンHPより)

御徒町、蔵前、浅草橋にかけての2キロメートル四方の地域を舞台とする一大町おこしイベントに成長した同企画。台東モノマチ協会は「多くの参加店を訪ねて、モノが生み出される過程を知り、そこで発揮されている卓越した技術に接し、モノづくりの醍醐味を感じ取ってほしい」とコメントしている。

レアすぎる「箔押し」体験

それでは、イベントエリアをぶらりと歩いて出会った昔ながらの工房やアーティスト作品の一部を紹介しよう。

センターエリアにある「田中箔押所」は、革や紙などに金やホログラムなどを熱転写させ、文字やマークを印刷する"箔押し"の工房。スタンプラリー帳の表紙の模様はここで加工されたものだそう。大正時代創業の歴史あるこの工房では、箔押し体験をさせてもらえる。

田中箔押所で加工された「モノマチセブン」スタンプラリー帳(写真右)、写真左は体験で作った箔押しカード

使用するのは、プレス時にレバーを引く様子が招き猫の前足の動きを思わせる「ネコプレス」という機械。黒いカードを台にセットしレバーを引くと、金色のイベントロゴが一瞬で転写される。細くはっきりとした金のラインは、こすっても剥がれることはない。

箔押しの機械「ネコプレス」のレバーは結構重い

ふだんは入ることのない職人さんの仕事場で、お話を聞きながら箔押しをさせてもらう。非常に貴重な体験ができるとあって、昨年は500人以上が工房に訪れたそう。職人さんのモノづくりを間近で見てみたいという人は、足を運んでみてはいかがだろうか?

職人さんの仕事を間近で見られる貴重な機会だ

本当にフェルト!? すごくリアルな動物たち

秋葉原駅と御徒町駅の間に位置する「2k540 AKI-OKA ARTISAN」では、クリエイターが集結する「クリエイターズマーケット」を開催。

「2k540 AKI-OKA ARTISAN」

フェルティングニードルの動物や人形を制作する「Studio-Argali」のブースでは、とってもリアルなフェルトの動物たちを展示販売している。フェルティングニードルとは、羊毛フェルトを針でチクチクと刺し、形を作っていく手芸の一種だ。

味のある表情がかわいいフェルティングニードルの動物たち

作家さんにより創りだされた動物たちは、ちょっと人間っぽいポーズをとっていたり、のんびりまったりしていたり…。羊毛のあたたかみと豊かな表情のいやし系アニマル、デスクの上にちょこんと飾っておきたくなる。

注目クリエイターの作品も集結

若手クリエイターを支援する「台東デザイナーズビレッジ」では、卒業生による販売会を実施。ふだんは非公開の施設で、実力のある注目クリエイターの作品を手にとって見ることができる。

学校を再利用した「台東デザイナーズビレッジ」(新御徒町駅そば)

SALCOオリジナル雑貨ブランド「bonboog」からは、花咲くボールペンが登場。造花とボールペンが一体化した同製品は、使う人にちょっとした驚きと華やかさを感じさせてくれる。木製専用スタンドも販売されているので、一輪挿しのように立てておくのもオススメ。数本まとめて瓶に入れておけば、実用性とインテリア性を兼ね備えた立派なオブジェになる。

花にしか見えないけど全部ボールペンだ

銭湯体験や職人仕事を見られる企画も実施

期間中にはスタンプラリー、各店舗が主催するワークショップ、フードコート in おかず横丁などのイベントが開催される。また、エリア内の工房やアトリエが見学できる「職人ツアー」、銭湯の歴史や清掃体験、一番風呂入浴などができる「下町☆銭湯体験!!!」などの特別企画も目白押しだ。

さらに、日中だけではなく夜のモノマチセブンも見逃せない。22日、23日の18時~21時には、夜の工房をのぞける「夜マチ工房」を実施。工房で職人とお酒を飲みながら楽しいひと時を過ごすことができる。

製造や卸の集積地として栄えてきた徒蔵エリア。イベンドでは気になるお店に行ってみるも良し、ブラっと散歩をするも良しである。店から店へ、あっちへぶらりこっちへぶらりしているとあっという間に時間が過ぎていく。マップを片手にふだん通ることのない裏通りに入ってみれば、新しい発見があるに違いない。

夜のひとときも楽しめる!

会期は5月22日~24日。参加店の営業時間は店舗により異なる。会場は浅草通り、神田川、隅田川、中央通に囲まれた、台東区南部徒蔵地域一帯。参加店が記載されたエリアマップは、エリア内9カ所のインフォメーションセンターで配布している(インフォメーションセンターは10時~17時)

期間中は「Tokyo Bike」の無料試乗スポットを開設。広いエリア内を自転車で行き来することができる。貸出スポットは2k450、台東デザイナーズビレッジ、メタセコイアの3カ所。貸出時間は11時~17時、1回30分まで利用可能。