デジタル一眼カメラを買ったばかりのときは、難しいカメラ用語にとまどいがちなもの。「今こそ知りたいデジタル一眼の基本」では、タイトル通りにカメラに関わる基本的なことをやさしく紹介していきます。今回のテーマは、写真をイメージ通りに見せるために必要な「露出」のコントロールについてです。
さて、露出を「絞り」と「シャッタースピード」で変えられることは前回で説明した通りですが、撮るたびに絞りやシャツターを調節するのはちょっと大変ですねでも、簡単に露出を明るくしたり暗くする機能もデジタル一眼カメラには搭載されています。
それが「露出補正」です。
露出補正の操作方法は、ダイヤルを使ったり、ボタンで変更したりとカメラによってさまざまです。同じなのは、カメラが決めた適正露出を基準点として、明るくしたり(プラス補正)、暗くしたり(マイナス補正)できることです。
富士フイルムの「X-T10」は上面右側に付いているダイヤルでダイレクトに露出補正ができます |
ソニーの「α5100」は背面のコントロールホイールで露出を調整できます。ほかの機能が割り当てられている場合は露出補正ボタンを押してから変更します |
では、この露出補正、なぜついているのでしょうか?
たとえば、白い花、白い服、白い犬、白い家具など、白い被写体を撮影したとき、イメージ通りの白ではなく「にごった白」に感じたことはありませんか? 逆に、黒い犬だったり、黒いアクセサリーや黒い服など、黒い被写体が実際の見た目よりも浮いたような色合いに写ったことはありませんか?
カメラが自動的に判断した明るさは、常に完全なわけではありません。また、自分のイメージした明るさや色とズレが生じることも珍しくありません。そんなときはこの露出補正の出番。ダイヤルやホイールを操作して露出を変えてやればいいのです。
露出を補正する単位としては「段」、もしくは「EV」といった表記が使われます。たとえば、明るくしたいのであれば、+1段(+1EV)に設定します。暗くしたい場合は、-1段(-1EV)などに調整すればOKです。
この数字は大きくなればなるほど、露出補正の度合が強くなります。だいたいのカメラは-3~+3段(EV)まで補正できますが、-5~+5までの補正範囲の広いカメラもあります。また、ほとんどのカメラは調整ステップを1/3段、0.3EV刻みに細かく設定できるので、自分のイメージに近い露出を探し出せます。
白いものがくすんで見えるようであればプラス補正し、黒いものが浮いて見えるようであればマイナス補正して撮ってみましょう。写真が見違えるほど変わるのでぜひとも試してみてください。
また、白や黒をはっきりさせるといった以外にも、露出補正はいろいろと使えます。花や風景などを幻想的にしたりやさしい雰囲気にしたい場合はプラス補正、シルエットや色彩を強く残したい場合はマイナス補正を施すことで、写真の雰囲気がガラッと変わります。
下の写真4枚は絞り優先モードで撮影したものに露出補正を加えたものですが、シャッタースピードだけが変わっているのがポイントです。
左の写真ではツツジの色がくすんでしまったので、露出を+1EVに上げることでピンクのさわやかな色を引き出しました。 |
民家脇にある立派なケヤキを見上げたものです。枝葉のしっとりとした暗さを出すために右の写真では露出をマイナス補正しました |
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