数多くの候補から自分好みのものを選択できるAndroidデバイス。高度なカスタマイズが可能なことも魅力であり強みです。しかし、その反面、わかりにくさを指摘されることもあります。ここではそんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「Android端末でApple Watchを使える?」という質問に答えます。
***
Apple Watchは、Bluetoothを利用してiPhoneと通信します。Bluetoothの規格のなかでも、電力消費量がとても少ない「Bluetooth Low Energy(BLE)」で通信するため、バッテリーのもちに悪影響を及ぼさないことがポイントです。
結論から言うと、Android端末とApple WatchはBluetoothのペアリングを行うことはできません。機器の検出を開始すると、Apple Watchの検出には成功しますが、ペアリングには失敗します。これは、Apple WatchとiPhoneのペアリングに専用アプリを使うことからもわかるように、一般的なBluetoothデバイスとは異なる規格/手順でペアリングを行うためと推測できます。
Apple WatchはBluetooth対応デバイスですが、利用可能な「プロファイル」はパソコンやスマートフォンほど豊富ではなく、一部に限られます。Apple Watchは直接Bluetoothスピーカーとペアリングできますから、Hi-Fiオーディオ用プロファイル「A2DP」に対応していることは確実ですが、その他のプロファイルについては不明です。
もっとも、Bluetooth Low Energy(BLE)となれば話は変わってきます。BLEの通信は「セントラル(中央装置)」と「ペリフェラル(周辺装置)」という2つの役割に分かれ、スマートウォッチには後者の役割が期待されます。BLEはペアリング不要ですから、BLE対応Android端末側にセントラルとしての機能(アプリ)を持たせれば、ペリフェラルとして動作するApple Watchの情報を集めることは可能と考えられます。Apple Watchに搭載されている各種センサーの情報にはアクセスできないにせよ、存在の有無を検出する用途(iBeacon)には使えるようになるかもしれません。