アメリカの経済紙「フォーチュン」が毎年発表する「働きがいのある企業100社」で、6回目の1位を獲得したGoogle。就職希望者は毎年200万人にのぼります。膨大な数の応募者から、妥協せずに優れた人材を選ぶポイントを人事トップが明かしました。
Googleに就職を希望する人の数は、毎年200万人にのぼります。Googleのブランド力とその数の応募があれば、優れた人材を採用するのはさほど難しくないかもしれません。それにも関わらず、Googleでは採用に対して非常に重きを置き、「絶対に妥協しない」人選をしています。徹底した人材採用のポイントをGoogleの人事トップが明かしました。
採用候補者の一人ひとりをCEOが面接
Googleでは、採用候補者の一人ひとりに対して、入社したら上席者となる人、同僚になる人、人材採用委員会、そして最高経営責任者ラリー・ページ氏が面接をします。候補者が実際に入社したら、どんな成果が上げられそうか、どんなチームワークができそうなのかをさまざまな角度から見極め、妥協のない人選をしているのです。 では、人材採用の具体的なポイントを見てみましょう。
複数の面接官が同じ質問をする
Googleの人事シニア・ヴァイス・プレジデント、ラズロ・ボック氏は、何人かの面接官が、ひとりの候補者に対して同一の質問をすることをすすめています。質問は、あらかじめ候補者の担当業務となりそうな内容のものをリストにしておき、そこから選びます。ひとりの候補者に同じ質問をすることで、複数の面接結果が比較しやすくなり、面接官のバイアスによる影響を最小限にできます。
面接時のメモを入社後にも活用
ボック氏は「面接官は候補者について気づいたことを、よくメモしておくように」と言っています。さらに「候補者の入社後、それを定期的に読み返してください」とも。実際の業務遂行ぶりと比べてみると、採用担当としての能力をはかる目安になるからです。雇用者だけではなく雇用する側にも目を向ける、シンプルながらも有効な方法です。
入社を迷っている人には、こう働きかける
Googleの最高経営責任者アドバイザーは、かつて在籍する社員の中から200人をランダムに選び、その履歴書を常にオフィスに保管していました。入社を迷っている人材には、履歴書の束を渡し「我が社で働くことになったら、こんな人たちと一緒に仕事をするようになるんですよ」と伝えたそうです。 その履歴書に書かれている経歴は、オリンピック出場経験者からプログラム言語Javaの開発者まで、バラエティーに富んだもの。「この人たちは、選りすぐりの人ですか?」という質問に対して、「いいえ、適当に選んだんですよ」という答えを聞いた時の採用候補者の驚きは想像に難くありません。 素晴らしい仲間と共に仕事ができることを実例で示すことで、採用したい候補者に入社の意志を促すことができます。
「妥協してはだめです、絶対に」
前出のボック氏は、採用について「絶対に妥協しない」ことが重要だと説きます。そのためには、まず「募集しているポジションにつく人に何をして欲しいのか」を明確にする必要があります。 例えば、部長Aさんのアシスタントを募集するとします。そのアシスタントには、電話応対やスケジュール管理だけをしてもらえばよいのでしょうか? それとも、Aさん本人以上に、効率よくスケジュールを管理し、業務の優先順位を見極めて、Aさんがスムーズに仕事ができる環境を整える能力を備えた人が必要なのでしょうか? 前者と後者では、採用する人材に大きな開きがあります。どのような人材が欲しいのかを明確にし、それが決まったら、条件を満たす人を徹底的に探します。
シンプルかつ実践的な採用方法で人材確保
アメリカの経済紙「フォーチュン」が毎年発表する「働きがいのある企業100社」で、6回目の1位を獲得したGoogle。高い人気とブランド力は、多くの優れた人材をひきつけます。そのような恵まれた環境にありながらも、Googleではトップレベルの人材を確保するために、時間をかけて丁寧に人選しています。その方法は、シンプルで実践的。企業規模や業種が違っても、参考になるところが多いと言えるでしょう。
※この記事はキャリア採用ラボより提供を受けています