6月20日に公開されるアニメーション映画『攻殻機動隊 新劇場版』の制作を務めたProduction I.Gの石川光久氏ら制作スタッフたちが、本作へのこだわりを語る動画が公開された。

「ブラビア」×「攻殻機動隊 新劇場版」キャンペーンタイトル

これは、6月20日にソニーから発売される4K液晶テレビ・ブラビアの新商品『X9300Cシリーズ』を中心とした7機種が発売されることを記念して行われたコラボレーション企画で、「ブラビア」×「攻殻機動隊 新劇場版」キャンペーンサイトにて公開。


動画では、Production I.Gの石川氏のほか、美術監督の竹田悠介氏、3DCG監督の井野元英二氏、色彩設計の広瀬いづみ氏、撮影監督の田中宏侍氏らがそれぞれの視点から『攻殻機動隊 新劇場版』に込めた思いを披露。冒頭では石川氏が「押井守が攻殻機動隊の原作を見て、これをやりたいって言ってから23年。『新劇場版でやりたかったことにたどり着けた』と言っていたのね。これは最大の発見だよね」と感慨深く語っている。

美術監督の竹田氏は、背景について「小さなサムネイルで見た時にも何が描かれているか把握できるのが理想的」であると同時に、「拡大した時、細部の質感まで描き込んでいる」よう目指したことを明かす。3DCGでキャラクターを動かす井野元氏が、「キャラクターにしっかりと感情移入をしてもらえるように作っている」とコメントする一方で、色彩を手がけた広瀬氏は「お客さんにそこにいるかのような感覚をもって、臨場感を感じてもらえるように作っている」と語り、これまでにないドラマチックな映像表現を期待させている。

終盤では、石川氏と田中氏が「フルHD」と「4K」で作品の見比べを実施。石川氏が桜の散るシーンを例に、「『4K』で見るとちゃんとCGの中に作画の絵を入れ込んでいるのがクリアにわかる。手間をかけた分だけそれが映像で伝わってくる」と語ると、田中氏も「昔だと作りこんでも見えなかったものが、数年後よく見えるようになるっていうのは報われる」と、技術の革新によってアニメの制作現場のモチベーションが変わっていくことにも触れた。

『攻殻機動隊 新劇場版』の物語の舞台は、総理大臣暗殺という戦後最大の事件が発生した2029年3月。主人公・草薙素子は、バトーやトグサたち寄せ集めのメンバーとともに捜査を開始し、「洗脳・ゴーストへの侵入、・疑似記憶の形成」を一度に行う電脳ウィルス「ファイア・スターター」の存在も見え隠れする中で、自分の生い立ちにもつながる手がかりにたどり着く。暗躍する謎のサイボーグ、総理大臣暗殺の真相、"第三世界"の存在、その先に待ち構える罠――残された6人が己のゴーストに従う時、はぐれ者の寄せ集め集団は最高のパフォーマンスを発揮するチームへと変化していく。

(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会