鉄道友の会は21日、2015年のブルーリボン賞にJR東日本E7系・JR西日本W7系、ローレル賞にJR東日本EV-E301系・箱根登山鉄道3000形を選定したと発表した。前年に国内で営業運転を開始した新造・改造車両を対象に、選考委員会が最優秀と認めた車両をブルーリボン賞、優秀と認めた車両をローレル賞に選定している。
E7系・W7系は北陸新幹線長野~金沢間開業に合わせて投入された車両。北陸新幹線では冬期の降雪に対し、上越新幹線のような地上側設備による完全消雪ではなく、車両側での自力排雪走行が求められるという。他にも30パーミルの連続急勾配区間、途中3カ所で行われる電源周波数の切換え(50Hz・60Hz)など厳しい線区条件となったが、E7系・W7系はこうした条件の下でも高い安全性・信頼性を確保している。
「和の未来」をコンセプトに、車体前面および上部を空色、車体側面および下部をアイボリーホワイト、車体中央の帯色を銅色・空色でまとめたエクステリアと、落ち着いた中にも華やかな空間を演出したインテリアも評価された。「北陸への新しい大動脈となった北陸新幹線を強くアピールしている」車両として、2015年ブルーリボン賞に選定された。
EV-E301系は宇都宮~烏山間(東北本線・烏山線)で営業運転を開始した車両で、愛称は「ACCUM」。大容量のリチウムイオン電池(蓄電池)を駆動用電源として搭載し、電化区間での走行中や折返し駅に設置された充電設備などで充電できる。電化区間は架線からの電力で走り、非電化区間は蓄電池のエネルギーで走行する。「架線と大容量蓄電池のハイブリッド方式により、非電化路線鉄道の新しい動力方式を具現化した点で、きわめて意義の大きな車両」として、2015年ローレル賞に選定された。
箱根登山鉄道3000形は、「アレグラ号」の愛称を持つ同社25年ぶりの新形式車両。最急勾配80パーミル、最小曲線半径30m、途中3カ所のスイッチバックなど本格的な登山鉄道である箱根湯本~強羅間で活躍する。「バーミリオンはこね」と呼ばれる赤系色をベースに塗装された車体、運転台や車体側面の展望窓に採用された大型の窓ガラスをはじめ、「斬新なデザインと最新の技術により、観光地・箱根のイメージアップの一助となった点できわめて意義の大きな車両」として、2015年ローレル賞に選定された。