映画『日本のいちばん長い日』の完成報告会見が20日、都内で行われ、キャストの役所広司、本木雅弘、松坂桃李、堤真一と原田眞人監督が出席した。
半藤一利の同名ノンフィクションをもとに描く本作は、終戦前夜の闘いと決断の真相に迫る歴史大作。ポツダム宣言受諾を要求された日本は、8月14日に行われた御前会議で降伏を決定。しかし、終戦に反対する若手将校たちはクーデターに動き始める――というストーリーで、映画は8月8日に全国公開する。
終戦の決断に苦悩する阿南惟幾陸軍大臣を演じた主演の役所は、「戦後70年で、このような作品に出れてうれしい」とあいさつし、原田監督は、「とにかく役者がすごい。ものすごく集中してノッて演じてくれて感動した」と仕上がりに大満足。一方、鈴木貫太郎首相(山崎努)を支える迫水久常書記官長役の堤は、「こんな緊迫感はもう嫌です(笑)。51歳になったけど、常に1番年下というのもなかなか無い」とベテラン俳優ばかりの現場を振り返っていた。
また、クーデター首謀者となる畑中健二少佐を演じた松坂は、戦争映画初出演となり、「緊張と不安しか無かったけど、監督を信じて走り続けました」と心境を吐露。1967年にも故・三船敏郎主演で実写化されている本作だが、「プレッシャーで嫌だった」と本音を語っていた役所は、「次は、松坂くんが阿南を演じる時代が来るかもしれない。戦争映画を作り続けることは映画人としての使命だと思う」と次世代へ熱い想いを込めた。
一方、原田監督から、「理想の昭和天皇になった」と称された本木は、「逃げ出したい気持ちと逃したくない気持ちで揺れた」とオファー時を述懐。先に他の俳優へオファーがあったそうだが、義母で女優の樹木希林から、「あなたにこの役が来たのは分かる気がする。力がある監督だし、昭和天皇を演じる機会も無いから、受けるべき」とのアドバイスがあったそうで、「背中を押してくれました」と笑顔で明かしていた。