GMO ペパボが提供するネットショップ運営サービス「カラーミーショップ」は17日、ネットショップの人気商品を手にとって買える「にっぽんネットショップ祭」を東京・神田で開催した。マイナビニュースでは既にイベントの様子をお伝えしたが、このレポートでは同時に開催された「北欧、暮らしの道具店」特別記念トークセッションの様子を紹介する。
北欧旅行が人気店誕生のきっかけに
北欧雑貨や日々の暮らしの道具を販売する同店は、センスのいい商品ラインナップと、ネットショップの域を超えた読み応えのあるコラムコンテンツが人気。昨年には、「カラーミーショップ大賞 2014」で大賞を受賞している。
トークセッションでは、同店を運営するクラシコムの代表取締役・青木耕平さんと店長の佐藤友子さんがゲストスピーカーとして登場。サイトのコラムコンテンツにも度々登場する両名は、共同創業者であると同時に実の兄妹なのだそう。セッションでは、ショップ立ち上げ秘話やバイヤーとしての物の選び方から、社員の働き方まで話が広がった。
――なぜ北欧雑貨の取り扱いを?
佐藤さん「夫の出張について行った北欧旅行がきっかけです。地元の"のみの市"やアンティークショップで、ビンテージアイテムが日本の3分の1ぐらいの価格で売られているということに驚いたんです。本当に可愛い物ばかりだし、すごくパワーの有る商材だと思いました」
青木さん「僕はアラビア社(フィンランドの人気陶器ブランド)も、『中東?』というレベルだったけど(笑)。向こうにはものづくりの基板が数多く残っているところが良かったんですね。その上、北欧はグローバル企業が多いので、日本国内でも『北欧の良さ』をいろいろな企業がマーケティングしていたこともあっていいな、と」(青木さん)
青木さんによると、クラシコムはもともとネット上で不動産の仲介などを扱う会社としてスタートしたのだそう。その後、北欧アンティークを扱う「北欧、暮らしの道具店」を立ち上げ、現在はアンティーク品だけではなく、北欧や日本国内の新品アイテムまで幅広く扱う形となっている。
――現在は北欧雑貨以外のアイテムも販売していますね
青木さん「自分の暮らしを振り返ると、いろいろなブランドのものや北欧に限らないアイテムがありますよね。北欧の友人宅に行った時に、リンドベリ(スウェーデンのデザイナー)のカップに、南部鉄器の鉄瓶で中国茶を入れてもらったんです。それにインスパイアされて、北欧のものと一緒に使ってもなじみのいいアイテムも扱うことにしました」
人気店のバイヤーによる"モノ選び"の基準は?
――バイヤーがものを選ぶ基準は?
佐藤さん「命題として掲げているのは『自分が欲しいかどうか』、バイヤーをやっていると、『売れそうなもの』って分かるんですよ。でも、自分が好きじゃないときは仕入れない。自分が好きなモノがあって、それに共感してくれるひとに買ってほしいと考えています。そのためにはバイヤーが自分の好きを自分でわかっているかが重要。その人が『私はこれを自宅に置きたいんです』『使ってみたいんです』といってきたものを取り入れます」
――クラシコムの残業しない働き方も注目されていますね
青木さん「北欧の人は9時ぐらいに出て夕方5時ぐらいに帰ってくるのに、1人あたりGDPは日本より高いんです。北欧の彼らがやっていることを自分でもやってみたい、クラシコムは北欧にインスパイアされているわけですから、うちが夜中まで仕事をするっておかしいんですね。そのため働くのは6時までということを絶対軸にしています」
トークセッションでは、コンテンツづくりやサイト運営への取り組み、スタッフ採用、コンバージョン率(成約率)をあげるための対策などといったかなり専門的な話も飛び出した。会場にいたネットショップ経営者は、熱心にメモを取ったり、両名に質問をしたりと積極的に参加していた。