ファッションに美容費、交際費など、全て自分の裁量でお金のコントロールができるのは独身時代だけ。結婚後も夫婦共働きならば、自由になるお金が多いように思いますが、そうとも限らないのが現実です。共働きである程度収入があっても、お金が貯められないという家庭は多いのです。そこで今回、共働き夫婦の家計と貯蓄について考えてみましょう。
財布が2つあるとお金は貯まらない
共働きカップルの悩みで多いのが、「夫婦の収入はそれなりにあるのに、なぜかお金が貯められない」というもの。その原因の多くが、夫婦の財布を分けて管理している、つまり家計に財布が2つあることに起因しています。
共働き夫婦の家計管理には様々な方法がありますが、一番多いのが、月々の支出を分担して自分の収入から出していくというやり方です。例えば、夫の収入から家賃、光熱費、車のローンなどの固定費を出し、妻は食費、日用品などの変動費を負担します。そして、お互いの収入の残った分は、それぞれの小遣いに回します。
このやり方は支出を分担するため公平性があり、お金の管理も楽ですが、お互いの収入・出費共に不透明で見えづらくなり、相手が貯めているはず……と、貯蓄も後回しになりがちです。新婚当初からこの方法で家計管理をしていると、夫婦共に家計の全体像がつかめず、家計管理も貯蓄もうまく回らなくなるケースが多いようです。
夫婦合算で口座を2つつくる
貯蓄をしやすい方法は、夫婦の収入を合算し、お財布をひとつにしてやりくりする方法です。まず、家計管理のための口座を作り、給料が入ったら2人分をその口座に入れます。そこから月々の費用やお互いの小遣いを出していくので、収入・支出を夫婦共に簡単に把握できます。どの項目にいくら使っているのかが一目瞭然。2人の収入から共同で支出するという意識づけもできるので、浪費をしづらくなるというメリットもあります。
貯蓄に関しては貯蓄専用の口座をひとつ作り、給料が入ったら先取りで貯蓄をしていきます。会社の財形制度を利用するほか、銀行の自動振替サービスで定期預金などに貯めていくのもいいでしょう。
「支払いを全部済ませ、欲しいものを買ってから余った分を貯蓄へ回そう」というのは、貯まらない典型的なパターン。まずは定額を貯蓄に回し、貯蓄分は始めからないものとして考えていれば、知らず知らずのうちに貯蓄が増えていきます。
喧嘩を避けるための臨機応変さも重要
ただし、家計の透明性にこだわるあまり1円単位で管理し、支出の全てをきっちり把握しようとすると、夫婦関係がギスギスしてしまうことも。小遣いの額を決めたら使い道までは追及せず、お互いに自由を持たせたり、支出の多くなる月があれば翌月に締めたりと、臨機応変さも忘れないようにしましょう。
お金を貯めるには、お財布をひとつにするのが理想的ですが、やはり別々の方がやりやすいというカップルもいるでしょう。どんな方法をとるにしても、大切なのは夫婦でお金や貯蓄についてじっくり話し合うこと。まずは、2人のライフプランとマネープランを共有することから始めていきましょう。
※写真はイメージで本文とは関係ありません
筆者プロフィール: 西塚 亜矢子(にしづか あやこ)
エフピーウーマン所属ファイナンシャル・プランナー。2007年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。お金との付き合い方を伝えることを通じ、「お金の不安がない、明るく前向きな未来を描く」お手伝いがしたいとの想いから、2015年にファイナンシャルプランナーに転身。楽しく分かりやすく、お金の知識を伝えるファイナンシャルプランナーを目指している。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。