東京海上日動火災保険はこのたび、日本商工会議所の会員向けに海外PL保険の団体制度(制度名称:グローバルプロテクト)を7月1日から開始すると発表した。

海外に進出する中小企業は年々増加しているという。政府も「新成長戦略」において中小企業の海外展開を重要な政策課題と位置づけ、「中小企業海外展開支援大綱」に基づき積極的に支援している。一方、中小企業にとって海外展開はリスクと隣り合わせであり、なかには製品の品質をめぐり訴訟に発展する場合もあるとしている。

こうしたリスクへ備え、中小企業の海外展開を支援するべく、同社と日本商工会議所は、会員企業向けに海外PL保険の団体制度を設計するという。

グローバルプロテクトの概要

  • 加入対象:各地商工会議所の会員事業者(事業者単位に任意加入)

  • 保険期間:7月1日から1年間(募集開始は5月から)

  • 補償の内容:(1)日本国外で発生した生産物に起因する対人・対物事故について、被保険者に対して損害賠償請求がなされたことによって損害に対して法律上の損害賠償金や弁護士報酬等の費用を保険金として支払う。(2)生産物回収費用(リコール費用)も5万ドルまで自動補償する。(3)同社が訴訟対応や示談代行などを行い、被保険者をサポートする

グローバルプロテクトの特徴

充実した補償内容

部品・原材料メーカーが国内の完成品メーカーに販売した製品が完成品に組み込まれて輸出された場合でも、追加保険料なく自動補償されるので、様々な品目で加入しやすい制度設計となっている。また、製品の輸出を検討している中小企業は、輸出前段階において海外現地で展示会や商談会等を開催することがあるが、このときの来場者や取引先にケガなどを負わせた場合の賠償責任も補償する。さらに、海外で製品を販売したときに、万が一その品質に不具合があれば現地当局から製品のリコールを命じられる場合があるが、こうした場合の回収費用や廃棄費用を100万ドルまでオプションとして補償する

割安な保険料水準

日本商工会議所の団体制度であるため、通常に加入するよりも大幅に割安な保険料で加入できる