JR東日本仙台支社は16・17日の2日間にわたり、新型ディーゼルハイブリッド車両HB-E210系の展示会を実施した。仙石東北ライン(5月30日開業予定)へ投入され、最速達列車となる特別快速は仙台~石巻間を52分で結ぶという。
HB-E210系は同社のキハE200形・HB-E300系に続き、エンジンからの電力と蓄電池からの電力を用いてモーターを駆動するディーゼルハイブリッドシステムを搭載した車両。ステンレス製拡幅車体の2両編成で、1両あたり片側3ドア。外観は東北本線・仙石線のラインカラーである緑・青と、塩竈桜をはじめ桜の名所をイメージしたという桃色で配色され、車体前面・側面の「HYBRID TRAIN」のロゴも目立つデザインとなった。
デビューに先立ち車両展示会が行われることになり、16日午後に仙台駅で、翌17日に石巻駅で、それぞれHB-E210系が展示された。石巻駅での展示会に使用されたのはC8編成で、11時頃に同駅4番線ホームに入線。地元利用者や鉄道ファンらが集まり、カラフルな外観やセミクロスシートの車内を興味深く眺めている様子だった。石巻市イメージキャラクター「いしぴょん」が登場し、写真撮影に応じる場面もあった。
その後、3番線ホームにキハ48形「石巻線マンガッタンライナー」を使用した普通列車(女川発小牛田行)が到着。HB-E210系と並び、多くの鉄道ファンがカメラを向けていた。なお、石巻駅では通常、1・2番線ホームを仙石線、3~5番線ホームを石巻線の列車が使用しており、仙石東北ラインの列車も1・2番線ホームを使用予定とのことだった。
仙石東北ラインは塩釜~高城町間に接続線を新設し、仙石線の全線復旧に合わせて5月30日から運行開始。HB-E210系を使用し、仙台~石巻間で毎時1本(6~20時台)の列車が設定される。うち上下各1本(仙台駅9時24分発・石巻駅20時58分発)は特別快速、その他の列車は快速としての運転となる。
これにともない、現行の仙台~石巻間直通快速(東北本線・石巻線経由)は運転終了に。仙台地区の各路線でダイヤ改正も実施され、東北本線仙台~松島間の列車本数見直し、仙石線快速の普通列車への変更、石巻線のキハ110系への置換えなどが行われる予定だ。