説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「どうしてiPhone 4sではApple Watchがサポートされないの?」という質問に答えます。

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Apple Watchを動作させるためには、「Apple Watch」アプリが必要です(ややこしいことに同名です)。「Apple Watch」アプリはiOS 8.2以降に付属するため、利用にはiOS 8.2がインストールされたiPhoneが必須となります。

iPhone 4sは、Apple WatchがiPhoneとの通信に使うBluetooth Low Energy(BLE)をサポートしています。BLEでは、母艦/親機という位置付けの「セントラル」と、そこに登録し子機として使う「ペリフェラル」が通信を行いますが、セントラルとしての機能はiOS 6から、ペリフェラルとしての機能はiOS 7からサポートされているので、スペックとしてはApple Watchの動作要件を満たしているといえるでしょう。

iOS 8の対応機種はiPhone 4s以降ですから、素直に考えればiPhone 4sでもApple Watchを使えそうなものです。しかし、Apple WatchがサポートするのはiPhone 5とiPhone 5c、iPhone 5s、iPhone 6、iPhone 6 Plusの5機種で、iPhone 4sは対象に含まれません。最新のiOS 8.3にアップデートしても、「Apple Watch」アプリはiPhone 4sに現れず、結果的にApple Watchをペアリングすることもできません。

なぜiPhone 4sがApple Watchのサポート対象から外されたかですが、搭載されているSoC「Apple A5」が、最近のスマートフォンの水準に照らすと非力なことと関係があるかもしれません。画面の縦横比がiPhone 5以降縦長に変更されたこともあります。発売からすでに3年半が経過していることもあり、次のiOSのメジャーアップデート(iOS 9?)では対象機種から外れる可能性があります。いずれにせよ、Apple Watchの快適な利用環境を提供するにはやむをえない判断だったのかもしれません。

iPhone 4sはApple Watchにサポートされません。最新のiOS 8.3にアップデートしても、管理に必要なアプリ「Apple Watch」は現れないままです