4月に発売されたばかりのApple Watch。話題になってはいるものの、どんな場面で役立つのかいまいちピンと来ないという人も多いのではないでしょうか。たしかに現状ではApple Watchに対応したアプリも少なめ。筆者も購入して使っていますが、生活が劇的に改善されたという感覚はまだありません。
しかし、それはあくまでも「日常」の話。実はApple Watch、旅行に持ち出すとなかなかの活躍を見せてくれるのです。どんな風に役立つのか、なぜ旅行にぴったりなのかをご紹介します。
Apple Watchでできること
まずはApple Watchで何ができるのかを簡単に説明します。Apple Watchはいわゆる「スマートウォッチ」と呼ばれる腕時計型のガジェットで、iPhoneとBluetoothで通信して動作します。Bluetoothが何なのかは、特に気にしなくても大丈夫。大事なのは「iPhoneと常に連携している」という部分です。ちなみに、当然のことながらiPhoneを持っていないとまったく役に立たないので、ご注意ください。
Apple Watchの機能で、特に旅行に役立つのは次の3つ。
1.表示内容をカスタマイズ可能な時計
2.iPhoneにメールやLINEなどが届いたことを通知してくれる機能
3.iPhoneを使わなくてもApple Watchだけでマップなどが確認できる機能
これらの機能が、あなたの旅行をより快適にしてくれるのです。
簡単に現地の時刻を表示! 文字盤をカスタマイズして世界時計も
海外旅行に出るときは、時計を現地の時刻に合わせますよね。iPhoneと常に連動しているApple Watchの場合、iPhone側で地域の設定をするだけで自動的にApple Watchの時刻表示も切り替わります。スマートフォンの時刻は基本的にズレないので安心です。
また、文字盤を好きなデザインに変更できるのですが、それ以外にも複数の情報をカスタマイズして表示しておくこともできます。たとえば日付や月の満ち欠け、気温といった具合です。
海外旅行でぜひ表示しておきたいのは、その中にある「世界時計」。文字通り、現在時計に設定している地域以外の時刻も同時に表示できる機能です。
たとえばロンドンで朝の8時なら、東京は時差を考えてだいたい16時。頭で計算してもいいのですが、時差を考えずに連絡をとろうとすると、相手が夜中だった……なんてこともあるので、世界時計を活用していきたいですね。
通知を絞って「ながらスマホ」防止
個人的にもっとも旅行向きだと感じている機能がこれ。iPhoneからの通知をApple Watchで受け取ることで、iPhoneをいちいち取り出す機会を減らせるというものです。
普段の生活ならiPhoneをずっと眺めていてもいいのですが、旅行ではやはり周りの景色をしっかりと目に焼き付けたいところ。しかし、iPhoneがブルっと震えると、ついつい「なんだろう」と確認してしまい、そのまま別のアプリを起動して……と、ずるずる「ながらスマホ」をしてしまいがちです。
そこで、あらかじめiPhoneのApple Watchアプリから、本当に重要なアプリだけ通知がくるように設定しておき、他の通知はすべて切ってしまいます。
Apple Watchに届いたメールやLINEは、内容の一部が確認できるので、すぐに返信しないといけない重要な内容ならiPhoneを取り出して作業し、そうでないならiPhoneを取り出さずにスルーするといった取捨選択が行えます。
iPhoneを使うことで旅情を断ち切りたくはない。だけど、一切の通知をシャットアウトするのも、それはそれで現実的ではない。
そんな「日常」と「非日常」のちょうど中間でバランスをとってくれるのが、Apple Watchの良い所です。
歩きスマホをしなくてもナビが使える!
「歩きスマホ」を誘発しがちなマップアプリのナビゲーションも、Apple WatchならiPhoneを取り出さずに利用できます。目的地の設定も音声入力でOK。
しかも、曲がり角ではバイブレーションで腕を叩いて通知してくれるので、画面を見ていなくても迷う心配がありません。目的地にたどり着くまでの間、存分に周囲の景色や同行者とのおしゃべりを楽しむことができるというわけです。
複雑なルートで不安になったら、Apple Watchに表示されているルートを確認すればいいですし、それでも心配なら、そのときだけiPhoneを取り出して大きな画面で見ればOK。その場合は、あらかじめiPhoneのマップアプリでナビを起動してからApple Watchに切り替えるというやり方をしておけば、iPhone側でもナビが確認できる状態にしておけます。
見失ったiPhoneも探せる
ここで小ネタをひとつご紹介。「Apple WatchからiPhoneを探す」機能です。
Apple Watchは常に身につけているものなので、紛失する心配はそれほどありませんが、iPhoneは意外と見失うこともあります。旅先でiPhoneを紛失するのは避けたいところ。
Apple WatchにはiPhoneを呼び出す機能があり、これを使うとペアリングされたiPhoneから派手な音が鳴り響きます。これでiPhoneの場所を簡単に特定できるのです。
もちろん、ペアリングが途切れない距離にいることが条件なので、すでに置き忘れて移動してしまった後ではどうしようもありません。あくまでも「近くにあるはずのiPhoneの場所を見つける」機能なので、過度な期待は禁物です。とはいえ、あるとないとでは安心感が違います。
また、慌ただしい朝の準備でiPhoneの場所を探す場合などにも役立つでしょう。
気をつけるべき点は?
Apple Watchが旅行にぴったりのアイテムだということをお伝えしてきましたが、一方でデメリットもあります。
ひとつは、Apple Watch専用の充電器がいること。Apple Watchのバッテリーは、普通に使うとだいたい1日~2日程度しかもちません。よって充電器は必須なのですが、残念ながらiPhoneと同じケーブルではなく、専用のケーブルが必要。若干ですが荷物が増えてしまいます。
また、Apple WatchはiPhoneと常に通信するため、iPhoneのバッテリーの消耗が早くなります。iPhoneのバッテリーが尽きてしまうとApple Watchは何の役にも立たなくなってしまうので、iPhoneを外でも充電できるようにモバイルバッテリーなどを準備しておきたいところです。
それから、Apple Watch自体にもしっかりとパスコードをかけておきましょう。iPhoneほどではありませんが、個人情報が詰まっている端末ですから。
とはいえ、やっぱりあると便利なApple Watch。上手に活用して、旅行をより快適に過ごしましょう!