インテージリサーチは14日、携帯電話のローミング情報を使った訪日外国人滞在の実態に関する分析結果を発表した。それによると、自治体や時間帯で来訪者層が異なることが明らかになった。
今回は、2014年11月に訪日した外国人の滞在場所を、居住国別、時間帯別に分析。各自治体における昼間時間帯の訪日外国人について国別割合を調べたところ、東京都中央区の1位は中国(19.9%)、台東区の1位は台湾(21.1%)、鎌倉市の1位はタイ(33.9%)と、自治体により違う結果となった。
これは、観光資源の違いによるものと推測され、INTAGE(Thailand)にヒアリングした結果、「タイでは、定期的にお寺に行く習慣があり、日本の仏教に興味がある」「数あるお寺の中でも大仏があり、東京から近い鎌倉が選ばれているのではないか」との回答が寄せられたという。
また、台東区を例に「時間帯別滞在人口」を見たところ、昼時間(13時)に向けて滞在人口が増えた後、19時時点で減少し、0時時点で再び増加していた。これを国別に見ると、韓国は全体とほぼ同様の傾向となったが、中国では13時時点、台湾では0時時点の来訪人数が最も多く、同調査では台東区は中国からの来訪者にとって「昼間訪れる場所」、台湾からの来訪者にとって「宿泊場所」であると推測している。
調査エリアは東京都と神奈川県の一部。調査期間は2014年11月1~30日。調査対象は該当期間に調査地域に滞在したと推計される訪日外国人(2万1,486人/1日平均)。