初代Macが登場したのが1984年。そしてFileMakerの登場はその翌年の1985年。今年でちょうど30周年だ。その記念すべき節目の年の5月13日、FileMaker 14プラットフォームが発売された。この発売にあたって、ファイルメーカー社社長のビル・エプリング氏と、米国FileMaker, Inc. エンジニアリング担当副社長のフランク・ルー氏に話を聞いた。
成功を収めたバージョン13、そして14へ
--- 4月22日に、FileMaker Goのダウンロード数が150万本を突破したとの発表がありました。このペースをどのように評価していますか?
エプリング ビジネスソフトウェアとして大きな数字を達成することができました。FileMaker Goは安定的に成長し続けており、このペースは決して驚きではなく予想通りといえます。
ルー iOSデバイス上でシンプルに使えるという点が多くのユーザーに受け入れられているものと考えています。
--- そして、FileMaker 14プラットフォームの登場となりました。このタイミングで、バージョン13の総括を聞かせてください。
エプリング 大きな成功を収めました。特に直前の四半期では、売上、ユーザー数ともに、過去最高の業績を達成しています。
--- 昨年11月に、販売数の比率としては年間ライセンスが7割、パッケージ購入が3割とのお話がありました。この比率は、その後変化していますか?
エプリング 年間ライセンスの比率が増加しています。大まかな数字ですが、75%が年間ライセンス、25%がパッケージ購入といったあたりです。年間ライセンスやメンテナンスプログラムのお客様は増え続けています。これはFileMakerを継続して使ってくださるお客様が多いということであり、また常に最新のテクノロジーを使っていただけるということなので、うれしく思っています。
FileMaker 14プラットフォームのポイントは?
--- その最新テクノロジーであるFileMaker 14プラットフォームについて、おすすめのポイントを教えてください。
エプリング 特におすすめなのは、スクリプトワークスペースですね。スクリプト作成の生産性が大きく向上します。事前にこれを見た開発者からは、これまでのバージョンのスクリプト作成にはもう戻れないという声をたくさんいただいています。
ルー 私からおすすめしたいポイントは5つあります。1つは今の話の通り、スクリプトワークスペース。あと4つは、WebDirect、起動センター、iOS 8のユーザーインターフェイスとの整合性、そしてセキュリティやWebDirectのパフォーマンスなど開発や管理に関わる機能の向上です。
エプリング 最近、ヨーロッパで新バージョンを紹介するツアーを実施したのですが、人によって反応が違うんですね。FileMaker Serverの再接続やスタンバイサーバーを高く評価する開発者もいました。
ルー スタンバイサーバーの機能は、実は日本から要望が上がってきたものなんです。管理者にとっては重要な機能ですね。今回を出発点として、ますます向上させていきたいと考えています。
--- WebDirectがAndroidタブレットのモバイルブラウザに対応しましたね。
エプリング モバイルでの使用は伸び続けており、私たちにとっては成長機会です。モバイルの最適なソリューションはiOSとFileMaker Goですが、今後はAndroidタブレットのユーザーにもFileMakerを使っていただけます。FileMakerがさらに多くの方へと広がっていくことを期待しています。
ルー FileMaker Goにはデータベースエンジンがあり、ユーザーエクスペリエンスに優れています。また、データベースファイルをiPadのローカルにコピーして使うこともできます。WebDirectは、ブラウザの機能に左右される部分があります。またローカルにファイルを格納することはできません。