ワコムは、1本のスタイラスで普通紙への記入とデジタルペン入力を同時にこなせるバインダー型の入力装置を試作し、5月20日より東京・有明の東京ビッグサイトで開催される「教育ITソリューションエクスポ(EDIX)」にて展示すると発表した。
同試作機では、付属のスタイラス(インクペン)を使って紙面に文字やスケッチを描くと同時に、同じデータを「デジタルインク」としてパソコンやタブレット端末に記録、ネットワークを介して転送することができるという。使用には、B5サイズの普通紙を載せてクリップで留め、USBケーブル等でパソコンやタブレット端末などに接続するだけ。普通紙を使用するのでコストを抑えることができるほか、デジタルペン入力にはワコム独自のEMR方式を採用しているため電池も不要となっている。
同社によると、昨今の教育の現場においては「紙に書(描)く」という行為そのものの意義が改めて注目されており、デジタル化によって利便性を高める一方で、紙にも書き込めることが重要視されているという。本試作機はこういった要望に応えるもので、例えば漢字の書き取りテストに利用した場合、生徒が答案用紙に記入すると同時に文字認識ソフトとの連携によって自動採点でき、さらに、それを校務支援システムへ転送して、成績データベースや通知表の作成に利用するなども可能とのこと。商品化は未定としているが、アナログ・デジタルの同時入力に適した普及型デバイスとして、教育分野での利用が期待されるという。
同社ブースでは、試作機の展示に加えて、これら一連のシステムのデモも行われる。このほか、アーバンコーポレーション製の電子ポインタ装置「ポインデオ」とワコムの業務用液晶ペンタブレット「DTK-1300」を接続した講義支援ソリューションなども展示予定。