財務省は13日、2014年度の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は7兆8,100億円の黒字となった。黒字幅は前年度より6兆3,385億円拡大し、4年ぶりに増加した。
貿易・サービス収支は9兆3,810億円の赤字で、赤字幅は前年度より5兆825億円縮小した。「貿易収支」および「サービス収支」がともに赤字幅を縮小したことで、赤字幅は縮小した。
貿易収支は6兆5,708億円の赤字で、赤字幅は同4兆4,479億円の縮小。海外景気の緩やかな回復などを背景に輸出額が持ち直してきていることや、原油の輸入量が減少したことなどから、赤字幅は縮小した。
輸出額は同5兆8,622億円(8.4%)増の75兆6,132億円と、2年連続の増加。輸入額は同1兆4,142億円(1.8%)増の82兆1,839億円と、5年連続で増加した。
サービス収支は2兆8,102億円の赤字で、赤字幅は同6,346億円の縮小。訪日外国人旅行者数が過去最高を更新し、「旅行収支」が1959年度以来55年ぶりに黒字に転化したほか、「知的財産権等使用料」が過去最大(1996年度以降)の黒字となったため、赤字幅は縮小した。
第1次所得収支は19兆1,369億円の黒字で、黒字幅は同1兆7,549億円(10.1%)の拡大。直接投資収益と証券投資収益が増加したことにより、1985年度以降で最大の黒字幅となった。第2次所得収支は1兆9,459億円の赤字で、赤字幅は同4,988億円拡大した。
併せて発表した2015年3月の国際収支状況(速報)によると、経常収支は2兆7,953億円の黒字となった。黒字は9カ月連続で、前年同月より2兆6,646億円拡大した。
貿易・サービス収支は8,392億円の黒字で、36カ月ぶりに黒字に転化した。
貿易収支は6,714億円の黒字で、21カ月ぶりに黒字に転化した。輸出額は同6,361億円(9.8%)増の7兆1,360億円と、25カ月連続の増加。輸入額は同1兆2,123億円(15.8%)減の6兆4,646億円と、3カ月連続で減少した。
サービス収支は1,678億円の黒字で、比較可能な1985年以降で初めて黒字に転化した。
第1次所得収支は2兆3,265億円の黒字で、単月として過去最大の黒字幅を記録。第2次所得収支は3,704億円の赤字で、赤字幅は同495億円縮小した。