ダイソンは5月12日、0.3ミクロンもの微細な粒子を99.97%以上外部へもらさず、キレイな排気を実現するコードレス掃除機とハンディ型掃除機「V6シリーズ」を発表した。発売予定日は5月21日。推定市場価格はスティック型掃除機「V6 フラフィ」「V6 モーターヘッド」が59,800円~84,800円、ハンディ型掃除機「V6 マットレス」「V6 トリガー」が39,800円~43,800円。
排気にこだわった新V6シリーズ
現在販売されている、「ダイソン デジタルモーター V6」を搭載したコードレス掃除機は、毎分最大110,000回転する強力なモーターにより、高い吸引力を実現している。今回発表された「新しいV6シリーズ」は、吸引力だけでなく、キレイな空気を排出することにこだわって開発されたものだ。
ダイソンによると、高性能なフィルターを搭載するだけでは、キレイな空気を排出するには十分でないとのこと。掃除機本体の密閉性を高め、HEPAフィルターを搭載したポストモーターフィルター(モーターの後ろに取り付けるフィルター)を装着することにより、0.3ミクロンの微細な粒子やアレルゲンを99.97%以上、内部に捕らえることに成功した。密閉性の高い本体構造とポストモーターフィルターのおかげで、室内の空気よりもキレイな空気を排出できるという。
新しいV6シリーズは、大小どちらのゴミも取り込めるスティック型掃除機「V6 フラフィ」と、布団などに使えるハンディ型掃除機「V6 マットレス」、静電気を抑えて微小なゴミをかき出す「V6 モーターヘッド」の3種類を用意する。
排出された空気はキレイなまま
V6シリーズを使うと、どの程度空気がキレイになるのだろうか。そこで、排気のキレイさを実証するためにスモークを使った実験が行われた。透明なアクリルケースにスモークを充満させ、V6 フラフィで吸い込む。本体の密閉性が高くなければ、白い煙がもれ出てしまうが、V6 フラフィからは全く煙が出てこなかった。
手もとにダストボックスがあるスティック型掃除機は、排気口も手もとにあるため、風が吹き出してくるのが気になるという人も多い。しかし、V6シリーズでは掃除機の中へ吸い込んだ微小粒子やアレルゲンを空気中に排出しないどころか、部屋の空気よりもキレイな空気が掃除機から放出されるというから驚きだ。
続いて、V6 フラフィの吸引力を実証するデモも行われた。細かいゴミがまかれた床をV6 フラフィで掃除すると、一度通過しただけで溝に入り込んだゴミもだいたい取り除けていた。
V6 マットレスで布団がキレイになるか
新たに加わったハンディ型掃除機「V6 マットレス」は、マットレスの名の通り、布団用クリーナーだ。ダイソン製品としてはめずらしい白い本体カラーを採用している。
ダイソンによれば、布団にはおよそ200万匹のダニがおり、さらにその死がいやフンがあるという。人の皮膚は数週間でおよそ28gもはがれ落ち、ダニはそれをエサとして1日に約20回もフンをする。アレルギーは、ダニそのものよりもダニのフンを吸い込んでしまうことで引き起こされるため、布団ケアではダニのフンを取り除くことが重要だ。
ダイソンは、現在販売されている布団クリーナーのUVライトや振動パッド、温風機能では、ダニ対策が難しいとする。ダニのエサとなる人の皮膚を除去することで、最終的にダニを死滅させてフンを取り除く方法を提唱。布団に落ちた人の皮膚を除去し、吸い込んだアレルゲンを空気中に排出しないツールとして、V6 マットレスを紹介した。
V6 マットレスの実力をチェックするべく、マットレスにまかれたベビーパウダーを吸い取るデモが行われた。デモでは、ベビーパウダーをまいた上にシーツをかぶせ、シーツの上から吸引していく。ゆっくり2往復した後、シーツをめくってみるとV6 マットレスが通った上はベビーパウダーが吸い取られていた。
気になる排気がキレイになって安心感がアップ
発表会では、生きたコナヒョウダニとチャタテムシの展示もあった。チャタテムシは肉眼で確認できたが、コナヒョウダニは顕微鏡でしか見られなかった。肉眼で確認できないといえど、アレルゲンとなるダニの死がいやフンを掃除機などで吸引して取り除くことが大事だ。
ダイソンのクリーナーは、吸引力の強さが最大の特徴だ。展示してあったV6 マットレスを試用してみたところ、展示に使われていた1mほどの大きな台が持ち上がって浮いてしまうほどの強い吸引力を見せてくれた。
スティック型掃除機の使い勝手は前モデルと同様、軽くて扱いやすい印象だ。ポストモーターフィルターを追加したにもかかわらず、ダストカップに4cmほどの出っ張りが現れただけで、見た目はさほど変わらない。手もとにモーターやダストボックスがあると、排気の吹き出し口が顔に近く、気になるという人も多いだろう。新しいV6シリーズは、排気をクリーンにしたことで、ユーザーの不満を解消したといえる。
軽くて扱いやすいV6 フラフィ。使い勝手は前モデルとそれほど変わらない |
ナイロン素材とカーボンファイバーブラシに覆われたローラーが、大小さまざまなゴミを吸い取る |
手もとの排気口から風が吹き出てくるが、空気清浄機から出てくる空気と同じようにキレイだそうだ(担当者) |
発表会に登壇したダイソンのプロダクト パフォーマンス エンジニアであるマニー ベネット氏は「2011年にスティック型掃除機を発売してから、ダイソンはマーケットリーダーとして市場を牽引してきた。常にチャレンジし続け、改良を重ねている。V6シリーズは確実にゴミをとり、密閉性を高め、汚れた空気を放出しない。掃除のフラストレーションを取り除いた製品だ」と自信を見せた。