ソフトバンクの孫正義代表は11日、2015年3月期決算説明会の席で、同社のバイスチェアマンを務めるニケシュ・アローラ氏が同氏の後継者になるとの考えを示した。
ニケシュ・アローラ氏は米Googleの経営陣の一人として活躍してきた人物。2014年10月にソフトバンクに参画し、ソフトバンクのバイスチェアマン、米国で設立されたSoftBank Internet and Media,Inc(以下、SIMI)のCEOとして活動してきた。
既報のとおり、ソフトバンクはグローバル企業へと変革を進めるために、7月11日に「ソフトバンクグループ株式会社」に商号変更し、ソフトバンクモバイル、ヤフー、SIMIの投資資産などを新会社のもとで統合的に管理する。ニケシュ氏は新会社の代表取締役副社長に就任し、事実上のナンバー2となる形だ。
新体制において、ニケシュ氏を後継者として捉えていいのか、という記者から質問に、孫代表は「答えはYes」と断言。続けて「事実上初めて英文タイトルでプレジデントを与えることになる。それは重要な意味を持っている」とコメントした。
自身の引退時期については「そのつもりはまだない。経営の第一線にこれからもいる。引退の時期は正式に申し上げるつもりはないけれど、特別の何かが起こらない限り、最も重要な後継者となる」と話した。
ニケシュ氏については「インターネットのビジネスでは私を超える人脈を持つ人物」と孫氏は評価し、人格も申し分ないという。ニケシュ氏がソフトバンクに参画してから、まだ9カ月と日が浅いが、「月の半分は顔を合わせている。それ以外にも、朝起きたら彼に連絡し、夜寝る前も彼とやりとりする日が続いている。ちょっとおかしいんじゃないかというくらい」(孫氏)と蜜に連絡をとっているという。
7月から新たに生まれ変わるソフトバンクグループ株式会社は、グローバル企業への変革をするための基礎となるものだが、ニケシュ氏が関わって、欧米での優秀な人材をスカウトを進めており、有能な人材を引き入れて、世界に挑む考えを孫氏は披露した。