栃木県日光市では今年、日光東照宮(以下、東照宮)にて「四百年式年大祭」が執り行われる。50年に1度開催される式年大祭では、流鏑馬(やぶさめ)神事や千人武者行列、武人・徳川家康に捧げる極真空手の演武など、春~秋を通じて様々な祭儀・行事が予定されている。

「流鏑馬」も披露(「四百年式年大祭」に先駆けて行われたイベントより、写真はイメージ)

メインは5月17日

そもそも四百年式年大祭とは、御祭神・家康が東照宮で神に祀られて400年を迎える節目であり、5月17日には宮司による祝詞の奏上や天皇陛下からの幣帛(へいはく)料奉献などの祭儀が執り行われる。

この四百年式年大祭に先駆けて3月13日に開館された「宝物館」では、家康と東照宮をテーマにした同宮保有の収蔵品展示のほか、バーチャルリアリティーを駆使した映像「日光東照宮 国宝 陽明門」、CGアニメーション「四百年式年大祭記念『徳川家康』」も上映している。

四百年式年大祭は、春季例大祭(5月17日~19日)と秋季例大祭(10月16日~18日)がある。メインである5月17日の「四百年式年大祭」では、徳川宗家18代当主や徳川御一門の当主、同宮関係者など約300人が参列し、昇殿後、天皇陛下より御下賜の幣帛料の奉献や宮司による祝詞奏上など、厳粛な祭儀が行われる。その後、疾走する馬上から的を射抜く「流鏑馬」や、東照宮の神が御輿3基に分乗して日光二荒山神社に出向く「宵成(よいなり)祭」などが行われる。

流鏑馬の服装にも特徴がある(「四百年式年大祭」に先駆けて行われたイベントより)

続く18日には、400年の節目に合わせて新調された絢爛豪華な武者絵巻「百物揃千人武者行列」が、19日には「奉祝大祭」として、日光市内の東西11町の伝統ある家体が献備され、各町の華やかなお囃子が奉納される。なお、本年は東和町と安川町が当番となる。

これらの祭儀に合わせて実施される行事には、五重塔前東照宮特設ステージにて19日に「国際空手道連盟極真会館奉納演武」として同館の松井館長が12年ぶりに演武を披露する。また、24日には同じステージにて、古事記や日本書紀に登場する神々の物語を舞で表現する「芳賀町稲毛田八雲神社太々御神楽」(栃木県芳賀町の指定無形民俗文化財)などを予定している。秋季例大祭までの間にも、「裏千家献茶式」(6月13日)や「東照宮武道奉納大会 剣道/柔道/弓道」(8月17日、18日、23日、30日)などを予定している。

東照宮で演武を実施(「四百年式年大祭」に先駆けて行われたイベントより)

秋季にはコンサートや花火も

秋季例大祭では、10月16日の「流鏑馬神事」に始まり、17日の「百物揃千人武者行列」「奉祝大祭」、18日の「奉祝大祭」を執り行う。この秋季例大祭に先駆けて、「日光東照宮四百年式年大祭記念 世界遺産劇場 J-POPコンサート」(10月3日、4日、12日)や「日光東照宮四百年式年大祭記念 世界遺産劇場 市川海老蔵 寿 公演」(10月10日、11日)などを予定している。

秋季例大祭の後にも、「四百年式年大祭記念『日光社参ウオーク』」(10月24日~12月6日)や「四百年式年大祭奉納『下野手筒花火』」(11月中旬)、「日光東照宮400年式年大祭記念 第15回日光音楽祭in東照宮」(12月13日)などを実施する予定となっている。

「日光詣スペーシア」も登場!

現在、四百年式年大祭と連携して東武鉄道も、浅草と日光・鬼怒川を結ぶ特別装飾列車「日光詣(もうで)スペーシア」を運行している。この特別装飾は金色を基調としたカラーリングで、世界遺産に登録されている日光二社一寺の色鮮やかな建造物をイメージし、ラインや窓枠に重厚な黒と朱色が用いられている。

「日光詣スペーシア」が気分を盛り上げる

また、先頭と最後尾車両の側面には東照宮の「眠り猫」と「三猿」をデザインした日光詣エンブレムを掲出している。この特急「日光詣スペーシア」の運行予定は、東武鉄道のホームページで公開している。