多摩動物公園ではこのほど、公式Webページにて、ヒナコウモリを紹介している。
不運にも骨折してしまったヒナコウモリを保護
同個体は前腕を骨折し、今年1月3日に同園に搬入されたもの。東北地方で多く見られるヒナコウモリは、夏が過ぎると南下し、東京でも越冬するといわれているが、その生態はわかっていないことのほうが多い、謎めいた種だという。
彼らは春の暖かくなる時期まで冬眠をし、暗い樹洞だけでなく、私たちが住んでいる家を選んでひっそりと眠っていることがある。この保護されたヒナコウモリも冬眠中だったが、不運にも動いてきた扉にぶつかり、骨折してしまったとのことだった。
動物病院で麻酔をかけ、骨を固定する手術を行い、無事終了。入院中は、ミールワームを餌として与え、採食量や体重、骨の治癒過程を追っていった。1カ月後、骨の癒合を確認し、骨を固定していた針を取り除いた。骨折していた腕も使って飼育箱を登るようになったが、飛ぶまでは回復できなかった。飛べなくては野生に戻すことはできないという。
そこで、同園のウォークインバードケージ入口にて1匹で展示されているヒナコウモリに仲間入りさせたところ、先住ヒナコウモリは新入り個体に対してすぐに威嚇、攻撃を加え、先が思いやられる同居となった。しかし数日後、2匹のヒナコウモリが寄り添っている姿が確認され、ひと安心となっている。