東武鉄道は30日、2015年度の鉄道事業設備投資計画について発表した。この中で、東武アーバンパークライン(野田線)で急行運転を開始し、東上線で朝ラッシュ時間帯に上り「TJライナー」を運行する計画であることを明らかにしている。

東武アーバンパークライン(野田線)の新型車両60000系(2013年撮影)

2015年度の鉄道事業における設備投資の総額は328億円。2017年春に導入予定とされる新型特急車両500系の製造(3両編成8編成)に着手するほか、東武アーバンパークラインの新型車両60000系を今年度新たに2編成(計12両)導入。既存の通勤用車両10000系24両のリニューアル(車いすスペース・車内案内表示器の設置など)も進めるとしている。

東武アーバンパークラインでは2016年春から大宮~春日部間での急行運転を計画しており、「環状路線としての特徴を生かし、さらなる利便性の向上を図るため」と同社は説明している。今年度は急行運転開始にともなう列車の速度向上を見据え、踏切制御装置の改修や曲線改良などの対応工事を進める。

東上線では現在、夕方以降の時間帯に池袋駅発の座席定員制列車「TJライナー」(下りのみ)を運行中。2016年春から朝ラッシュ時間帯の上りでも運行開始予定とされた。あわせて地下鉄直通列車の東上線内における急行運転も計画され、今年度はこれらの計画の実施に向け、車両・駅務機器の改修工事などを推進するという。

東上線川越市~小川町間に導入された運転保安システム「ATC」(自動列車制御装置)は今年度、池袋~川越市間でも使用開始予定。和光市駅では今年度中に可動式ホーム柵(ホームドア)が完成し、川越駅でも2017年度の完成に向け、可動式ホーム柵設置を推進する。

その他、一部の駅でサービス向上を目的に橋上駅舎化や駅施設のリニューアルも進め、東武スカイツリーライン竹ノ塚駅付近、東武アーバンパークライン清水公園~梅郷間の高架化工事も引き続き推進。東京都と墨田区が都市計画手続きに着手しているとうきょうスカイツリー~曳舟間の連続立体交差化事業計画に関して、「当社も事業化に向け積極的に協力してまいります」と発表している。