民間調査機関の一般財団法人労務行政研究所はこのほど、今年4月の新卒入社者について、初任給調査の結果を発表した。同調査は、東証第1部上場企業1771社と、生命保険、新聞、出版でこれに匹敵する大手企業11社を加えた合計1782社のうち、4月6日までにデータを得られた東証第1部上場企業218社のデータをまとめた速報となる。
初任給を据え置いた企業はここ2年間で大幅減
調査によると、39.9%の企業が2015年度の初任給を「全学歴引き上げ」していた。この割合は、昨年度速報集計時の23.2%から約17ポイント増加していた。
一方、初任給を前年度と同額に「据え置き」した企業は58.7%。初任給の据え置き率は、世界的不況に陥った09年度以降9割台の高い率で推移していたが、春闘交渉においてベースアップや賃金改善の回答が相次いでいることの影響もあり、14年度75.5%、15年度58.7%とここ2 年は顕著に低下している。
初任給額は、大学卒で20万8,722円、高校卒で16万3,689円の水準だった。同一企業で見た前年度の金額に比べ、それぞれ1,537円・0.7%、1,315円・0.8%の上昇となる。