世の女性の多くは「なんとなく足がだるい」と日ごろから思っていないだろうか。実は春から夏にかけた時期は、いわゆるこの「足のだるさ」を実感している女性が増える傾向にあるのだ。

足のだるさと気温、気圧、湿度の関係

ピップが20~40代の女性1万名を対象に実施した調査によると、約8割が足のだるさを感じており、足のだるさを感じている女性408名にさらに詳しく聞いたところ、一日の中で足がだるくなる時間帯は「夕方」(71.1%)がトップとなっている。同じく「夜」(68.4%)と回答した割合も高くなっており、夕方から夜にかけて、足のだるさを感じている人が多い傾向にあることがうかがえる。

夕方以降に足のだるさを感じる人が多い

季節的な関連もあるようだ。2012~2014年のツイッターを調べたところ、「足のだるさ」を訴えるツイートが3月から徐々に増えはじめ、5、6月にピークを迎える傾向があることを示すデータもある。

この時期は、気温と湿度が上がっていく一方で、気圧が低下するという気象が特徴となることが多い。そのため、看護師・足裏療法家の市野さおりさんは「これら3つの条件の相互関係が影響している可能性があります」と、5、6月頃の足のだるさの原因について指摘する。

5月、6月といった時期に足とだるさにまつわるツイートが増えていることがわかる

気温と気圧、湿度の変化によってさまざまな症状が出現することを「気象シンドローム」と呼ぶ。症状に頭痛やイライラ、不眠がある。そして「あまり知られていませんが、"重だる足"は、『気象シンドローム』の代表とも言えます。足は気象シンドロームが一番現れやすい部位です」(市野さん)。

気象由来の足のだるさは、以下のようなメカニズムで起こる。

(1)気圧が下がる

(2)温度と湿度が上がる

(3)気圧が下がることで外から足にかかる圧力が低下。筋肉が弛緩(しかん)し、体内の循環をよくするポンプ機能が低下

(4)湿度上昇に伴い、皮膚から水分蒸発がされにくくなり、かつ汗が出にくくなる

(5)細胞内に水分がたまりやすくなった状態で、湿度・温度が高い環境下に置かれると自律神経が乱れやすくなる

(6)代謝・排せつ機能が低下して体内に水分が停滞しやすくなった結果、下肢に停滞した水分がむくみとなって、足が重く感じるようになる

足のむくみが起きるメカニズム

気象の影響による足のだるさは、下肢循環が正常に働いていないことで起こる。その状態を解消するには、「足部」「ふくらはぎ」「太もも」の3つの筋肉ポンプをしっかりと機能させる必要がある。

「3つのポンプを動かすためには、『脚部ケア』と『足部ケア』が必要です。脚部ケアは、ポンプのある太ももとふくらはぎを同時にケアしていきましょう。また、足部ケアは足裏と足指の大きく分けて2つあります」。

脚部の簡単なケア方法は、シャワーの水圧マッサージのほか、ハンドプレスマッサージ、太ももまである着圧ストッキングの着用などがある。

40度くらいのお湯で、少し皮膚がへこむくらいの水圧で2、3回マッサージしよう

足裏ケア方法は、自分の手による足裏マッサージが効果的。硬くなっている部分をほぐすイメージで行うようにしよう。指ケアは、足の指を使ってグー、チョキ、パーをつくる「足指ジャンケン」をするとよいとのこと。

女性にとってはこれから特につらい時期が続くかもしれないが、原因がわかれば対策もわかるというもの。5月、6月になって、何となく足のだるさや足の重たさを感じることがあれば、今回紹介した対処法にトライしてみてはいかがだろうか。

※記事内の画像はすべてピップ提供