4月18日、健康的な味覚を実際に体験しながら学んでいく「~今日はタバコ休みます~ コース料理を楽しみながら、本物の味覚と向き合う魅惑のワインセミナー」が都内のホテルで開催された。ワインエデュケーターの田辺由美さんと、フードスタイリストの遠藤文香さんが、おいしいワインと料理をより楽しむためのポイントをレクチャーした。
会場は沢山の参加者でにぎわった |
お気に入りのワインの見つけ方とは?
ラグジュアリーな雰囲気が漂う都内ホテルの大広間で実施された今回の催しは、喫煙する方や、パートナーが喫煙している方などが参加。「今日、この一日はタバコを忘れる」というテーマのもと、ワインと料理を味わうための味覚の大切さを学んでいくというマイナビウーマン主催のセミナーとなっている。
レクチャーしてくれるのは、ワインエデュケーターの田辺由美さんと、フードスタイリストの遠藤文香さん。参加者らは、2人のトークを聞きながら実際にワインと料理を楽しみ、耳にも口にもおいしいレクチャーを受けた。
ワインは好きだけれど、どの銘柄を選んでいいかわからない、という人は意外と多いのではないだろうか。田辺さんは「まずは、自分の好きなぶどう品種をおぼえることをオススメします」と、ぶどうの品種を挙げた。
白ワインでは、日本独特の白ぶどう「甲州」、フルーティでメロンのような香りが特徴の「ソーヴィニヨン・ブラン」、シャンパンなどでおなじみの「シャルドネ」。赤ワインでは、生産量がもっとも多い「ガベルネ・ソーヴィニヨン」、タンニンが多く芳香が強い「ピノ・ノワール」、多彩な特徴を持つ「サンジョヴェーゼ」の計6品種。
講師のワインエデュケーター田辺さん(左)とフードスタイリスト遠藤さん(右) |
田辺さんは、飲んだときに「おいしい」と思ったワインが、どのぶどうから作られているのかを覚えておくと、自分の好みのワインを見つけやすくなると話した。
さらに、遠藤さんは「品種に加えて、もうひと言だけ自分なりのイメージをソムリエに伝えると、ゴールがより近くなりますよ」と話す。遠藤さんは、赤ワインではピノ・ノワールが好みとのことで、「ピノ・ノワールで少し力強い南国系のワイン」といった具合に伝えるという。「甲州で後味がスッキリしているワイン」や、「ソーヴィニヨン・ブランでミントの香りがするワイン」など、品種に加えて自分なりのワインの印象を添えることで、求めているワインがグッと絞られる。「ぜひ品種とともに自分好みの味をきちんと「言葉」に置き換えてみてほしい」とアドバイスした。
そのほかにも、最近のボトルにスクリューキャップが増えている理由は、コルクの木に配慮した自然を守るためであって、決してコルクキャップでないワインが安物という訳ではない、というお話や、赤ワインは渋味成分であるタンニンが多いので渋味を強く感じないように冷やさずに飲み、白ワインは甘さが抑えられフルーツのフレッシュ感が出るので冷やして飲む、という温度と味の関係など、さまざまなワインに関する知識がレクチャーされた。
会場には様々なワインが登場 |
参加者はコース料理とワインのマリアージュを楽しみながら、田辺さんや遠藤さんの話に真剣に耳を傾けていた。
マナーは自分のためではなく周りのため
ワインを楽しむ場で、気をつけておきたいのはやっぱりマナー。だが、マナーは自分が恥ずかしい思いをしないためではなく「周りの人と楽しい時間を過ごす」ためのものと、田辺さんは話す。
「例えば、ワインは空気に触れさせることで味わいが変わるので、グラスを反時計周りに回しますが、このマナーにも意味があります。反時計周りであれば、もしワインがこぼれて粗相をしてしまっても、こぼれたワインは自分のほうに来ます。時計回りだと、お隣の方にかかってしまうので、そのための配慮なんですね。お隣の方が嫌いな場合は、時計回りでもいいかもしれませんが(笑)」
と、冗談を挟みながら、マナーの本質について語った。また、食事における重要な要素「香り」についてのマナーについても、次のように話した。
「食事に香りは不要です。私はワインを仕事にしているので、化粧品なども香りの強いものは使いませんし、香水も使いません。また、タバコに関してもヨーロッパのレストランでは吸わないのが常識。離れた場所で吸うのが当たり前になっています」と香りのマナーに関して、欧州の現状も含めて紹介した。
参加者もテイスティングに挑戦!
後半では、実際に参加者もテイスティングに挑戦した。先ほどのトーク中に振舞われたワインが、1番と2番のどちらのグラスのワインかを当てるというもの。この日のワインは、すべて協力のキッコーマン食品株式会社より提供されており、参加者らは自身の味覚を研ぎ澄ませてテイスティング。多くのテーブルが正解の「1番」のワインを当てることができた。
ワインをテイスティングする上で重要になる「味覚」。この味覚と喫煙の関係について、本セミナーの協賛「ニコチネルガム」の学術担当・須田さんからもレクチャーがあった。
学術担当の須田さんの話に参加者も真剣 |
須田さんによれば、味覚を構成する「苦味」「酸味」「塩味」「甘味」のうち、喫煙者は非喫煙者に比べて「甘味」を除く3つの味覚を感じにくくなっていることが明らかにされている。また嗅覚は喫煙量が増えるほど鈍くなるが、禁煙することで徐々に改善していくという。よりおいしく食事やワインを楽しむならば、禁煙したほうが賢明だ。
「ニコチネルガム」は「吸いたくなったらかむ」ことでニコチンを摂取でき、ニコチン切れによるイライラや落ち着かないなどの症状を緩和し、禁煙を助けるガムタイプの指定第2類医薬品。ニコチン量を自分でコントロールできる約12週間の禁煙プログラムで、ニコチン摂取をタバコから本製品に置き換える“ニコチン置換療法”により無理のない禁煙に導いてくれる。マンゴー、スペアミント、ミントの3種類のフレーバーがあり好みに合わせて選べ、この日参加した喫煙者にはサンプルが提供された。
喫煙と味覚の関係については、「最近、ソムリエになった方で喫煙者にはほとんどお会いしたことがない。私のスクールでも禁煙するように勧めているが、これからもっと禁煙を勧めます(田辺さん)」、「味覚が鈍くなることは、知らずに濃い味付けになっていたりするということ。私の仕事にとっては凄く怖いことなので、驚きました(遠藤さん)」と、2人ともそのデータに驚いていた。
おいしい食事とワイン、そして味覚について考える貴重な機会に、参加者らは満足気な表情で会場を後にした。せっかくなら料理もワインも、よりおいしく食べたいもの。「おいしい」をより実感するために、味覚についてもっと考えてみてはいかがだろうか。