労務行政研究所はこのほど、東証1部上場企業など218社の新卒入社者を対象に実施した「2015年度 新入社員の初任給調査(速報)」の結果を発表した。それによると、初任給を「全学歴引き上げ」した企業は39.9%となり、前年度より16.7ポイント増加した。
初任給を「据え置き」した企業は58.7%と6割近くを占めたものの、前年度より16.8ポイント減少。据え置き率は、リーマン・ショック後の2009年度には9割を超え、以降95%前後の高い割合が続いていたが、2014年度の春闘交渉において大手を中心にベアや賃金改善が行われ、初任給についても引き上げる企業が増加。2015年度も同様の傾向が続いている。
大学卒(一律)の初任給は前年度比1,537円増の20万8,722円、大学院卒修士は同1,781円増の22万5,094円、短大卒は同1,466円増の17万6,392円、高校卒(一律)は同1,315円増の16万3,689円。このうち大学卒における上昇額の分布を見ると、「据え置き」が53.1%を占めたが、5,000円以上引き上げた企業も1割に上った。
調査時期は2015年3月中旬~4月6日、調査方法は郵送および電話取材。東証第1部上場企業1,771社と、生命保険、新聞、出版の大手企業11社を加えた計1,782社のうち、回答のあった218社を集計した。